類人猿に次ぐ知能の高さ
  フサオマキザルは、とても知能が高く、手先も器用なサルです。よく例に出されるのが、竹の中に潜むカエルを捕まえるやり方です。彼らはまず、小さな穴の開いた竹を探します。穴が開いていれば、その筒の中に水がたまっていて、カエルが潜んでいる可能性があることを知っているのです。そんな竹を見つけると、穴のそばに耳を当てて、竹の表面を手でたたきます。その時、ポチャンと音がすれば、カエルがびっくりして水に跳び込んだ証拠です。カエルがいればこっちのもの、穴の端を歯でかじっては、手で竹の皮をはがします。その時、竹の皮がはね返るのを防ぐため、ちゃんと後肢で押さえておく事も忘れません。そして大きくなった穴に手を突っ込んで、カエルを捕まえ、木の枝にずりずりとこすりつけて表面のネバネバを取り除いてから食べるのです。

得意技は手をパチン!!
  とべ動物園のオマキザルたちには、ジャングルでのカエル採りの経験はありませんが、この野生の習性を生かした行動を見せてくれます。すなわち、手をたたき、地面にいろんな物をこすり付けて遊ぶのです。決して教えたわけではないのですが、上手に両手をパチンとたたき合わせます。手のたたき方も個体によって違います。一家の父親、長老の「オトウ」が最も迫力のある音を出しますが、フェンスに後肢をかけて体を支え、ハスに構えてパチン!とたたくところを一度見たら、「オトウ」ファンになることは確実。「オトウ」の次に体が大きい、息子の「クリッパー」は、たたく前に一瞬の間があり、それがとてもユーモラスです。顔がピンク色の「ブブ」は後肢でぶら下がって、パチパチパチと連打が得意ですが、出し惜しみをするのか、めったに披露してくれないのが玉に瑕です。この三頭以外の小さなこどもたちもよく手をたたいていますが、まだまだ修行が足りないのか「ぺちぺち」と情けない音しか出ません。

掃除だってできるぞ??
  カエルをこすりつける動作を連想させるのが、床磨きです。我々キーパーの商売道具、デッキブラシは、長い間使っていると先のブラシが柄からはずれる事がよくあります。そのまま捨てるのはもったいないので、ある日彼らに与えてみました。最初はたたきつけたり、転がしたりして遊んでいたのですが、たまたまブラシが下を向いた時に、ずりっと床磨きができたのです。以来、人間が雑巾がけをするのと同じ格好で、ブラシで床をこする技を見せてくれるようになりました(もちろん、掃除をするという意識は全くなく、ただ遊んでいるだけです)。しかし、道具の使い方を発見するのは頭がいい証拠、そして、非常に愛情深い性質ですので、これを利用して、アメリカでは車椅子の方の介護役としての研究も進められていますが、そのお話はどうか担当者に直接聞いてみてください。次号では、オマキ一家の新しい赤ちゃんをご紹介。

                                 平成13年8月発行
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