必要は進化の母?? 
長い顔、大きなカギ爪、ほうきのような大きな尻尾、そして、口の先から40pほども出てくる長―い舌。オオアリクイは、一体どうしてこんな妙な体つきになってしまったのでしょう?オオアリクイの主食であるシロアリは、とても大きくて硬いアリ塚の中に住んでいます。アリ塚を見つけたオオアリクイは、まず立ち上がって、大きな爪をふるってアリ塚の表面を少し壊し、そして曲がりくねった巣の中に長い舌を突っ込んでシロアリをなめとります。つまり、体の前半分は、シロアリを食べるのにいちばん効率が良いように進化してきたわけです。それでは大きな尻尾は何のためでしょう?実は、とべ動物園開園以来、たくさんのお客様にオオアリクイのスポットガイドの中でこの質問をしてきましたが、全くヒントなしで正解して下さったのは、13年間で、わずか3名ほどです。さあ、考えてみよう!

ヒントは「ネボスケ」 
たいていの方が、ほうきのように使ってアリを集める、とおっしゃいます。ところがそうではないのです。オオアリクイは一日の内の14時間くらいを眠っていると言われる、大変睡眠時間の長い動物です。この時に尻尾が役立つのですが・・・、正解がわかったら、南米獣舎に駆けつけて、担当者に確かめてみましょうね。





炭焼き方式で資源保護 
単独生活のオオアリクイは、それぞれ縄張りを持っていて、その中にあるアリ塚を襲ってシロアリを食べますが、決して、巣が全滅するまで食べ尽くさず、ある程度で食べるのをやめてしまいます。そして、別のアリ塚を襲い、同じように途中で食べるのをやめます。こうして、次々にアリ塚を巡回し、元のアリ塚に戻ってきた頃には、シロアリの数は回復しているというわけです。

貧歯目の中の貧歯目 
アリクイは、貧歯目という仲間に分類されていて、この中には他に、アルマジロ、ナマケモノが入ります。その名の通り、退化した貧弱な歯しか持っていない動物ばかりですが、それでもアルマジロもナマケモノも一応歯が生えています。ところが、アリクイだけは全く歯を持っていません。地球上に生息するたくさんの哺乳類の中で、一本も歯がないのはアリクイだけなのです。まさに「貧歯目の中の貧歯目」といったところでしょう。シロアリをなめる時に、ネバネバの唾液の付いた舌を高速で出し入れして次から次にアリをなめるのですが、いちいち歯で噛み砕いていては、その間にシロアリが逃げてしまうので、噛まずに飲み込むうちにだんだん歯が退化してしまったのでしょうか?硬い物を食べることはできないけど、でも死ぬまで絶対虫歯にならないというのは、ちょっとうらやましいかも。


                                                    平成13年10月発行

ちょっと一言

「南米よもやま帖」をいつもご愛読いただいてありがとうございます。
これまで登場した個性豊かな動物たちの本物に会いに、是非動物園をお訪ね下さい。
南米獣舎付近で、「よもやま帖担当者」だ!と思われる人物に遭遇したら「読んでるよ」と一声おかけ下さい。嬉しくなってしまってアメリカストリートをガイドしてしまうかも・・・。
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