隠れファン多し!!
南米獣舎のひそかな人気者といえば…、実は、ムツオビアルマジロです。昼間はほとんど寝てばかりの無愛想な彼らですが、いったん動き始めると、食べる姿も走る姿も、何ともいえず、愛嬌があって一度見ると彼らのとりこになることは請け合い!そればかりでなく、真ん丸くなるというイメージが先行していることも人気の秘密かもしれません。
ほんとは丸くならない
身を守るために、ボールのように丸くなると思われていますが、本当に丸くなるのは、「ミツオビアルマジロ」ただ一種だけです。他のアルマジロは、丸くなることはできず、敵から身を守るときには、地面に穴を掘って逃げ込み、鋭い爪で地面にしがみつくのです。また、オオアルマジロは体長1m近くにもなる大物で、ここまで大きくなると、わざわざ身を守る必要もないのでは?と思いますが、やはり、背中に堅い甲羅(正しくは皮膚が変化した鱗甲板という組織)を持っています。
飼育係泣かせの穴掘り名人
彼らの爪は、まるでモグラを思わせるような大きくて鋭いものです。実は開園当初、大変な事件が起こりました。他の動物と同様アルマジロも、朝運動場に出して、夕方収容します。よく地面を掘って、穴にもぐっていましたが、土の下にはコンクリートの基礎が入っているので大丈夫、のはずでした。ところが、その日は、一頭のアルマジロが、どこにも見当たりません。嗅覚が大変優れているので、餌のにおいがすると、すぐに穴から出てくるはずなのに…。いつも掘っている穴を上からそっとつついたり、運動場の隅から隅まで探しましたが、どこにもいないではありませんか!どこかから入り込んだ害獣に食べられちゃったんじゃないか?穴にもぐりこんだまま死んでるんじゃないか?もうこうなると、不吉な考えばかりが頭の中をぐるぐる回ります。放心状態でボーッと地面を見つめている時、隅の植栽が少しだけ揺れたのに気づきました。じっと見ていると、確かにごそっと揺れています。あわててスコップを持ち出し、植栽の根元を掘ると、いたいた、泥だらけで幸せそうに深く深く掘り進むアルマジロが。引っ張り出して収容した後で調べてみると、植栽の下には基礎が入っていませんでした。あのまま気づかずにいたら、どこまで掘り進んだことやら。地中深く伝って、裏山の方へ行っちゃって日本で初の野生のアルマジロになっていたかも…。しかも、その爪がどういうつくりになっているのか、いったん土にしがみつくと、大人二人がかりでも引き剥がすことができないくらいの力を発揮するそうです。すんなり穴から引っ張り出すことができたのは運が良かったとしか言いようがありません。その後は地下全面にコンクリートを埋め込んだので、大脱走の恐れはなくなりました。
さあ、あなたもアルマジロのかわいい姿をその目で見て、隠れファンになろう!!
平成13年11月発行
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ちょっと一言
「南米よもやま帖」をいつもご愛読いただいてありがとうございます。
これまで登場した個性豊かな動物たちの本物に会いに、是非動物園をお訪ね下さい。
南米獣舎付近で、「よもやま帖担当者」だ!と思われる人物に遭遇したら「読んでるよ」と一声おかけ下さい。嬉しくなってしまってアメリカストリートをガイドしてしまうかも・・・。 |
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