背中のこぶは何のため?
「ラクダ」といえば、背中のこぶがトレードマーク。こぶが一つのヒトコブラクダ、二つのフタコブラクダ、いずれもユーラシア大陸からアフリカにかけての砂漠地方に分布しています。脂肪を大量に蓄積したそのこぶは、エネルギー源であり、直射日光をさえぎる断熱材であり、ラクダが厳しい気候の中を生き抜くために、欠くことのできない大切なものなのです。


ラクダなのに、こぶがない?
ところが、アメリカ大陸に生息するラクダの仲間には、こぶを持つものはいません。もともとラクダの祖先は始新世(今から5,500万〜3,800万年前)に北アメリカに出現したといわれています。アジアに渡ったものは砂漠の気候に順応した結果、こぶを持つようになりました。一方、南米に渡って、3000m以上の高地に適応した「背中にこぶのないラクダ」がグアナコとビクーニャで、ラマは、グアナコを家畜化したものだろうと言われています。


大切な家畜
ラマの骨は、4,500年前の遺跡からも出土するほどで、厳しい環境の中で、アンデスの先住民にとって大切な家畜であったと推察されます。肉や皮を利用するのはもちろん、険しい山道で、荷物の運搬用として役立ってきました。オスに比べ、メスは体が小さいので荷役用には向かないと書いてある資料もありますが、とべ動物園のラマを見る限り、雌雄の体格差はあまり感じられません。性質もおおむね穏やかで、暑さ寒さに強く、大変飼育しやすい動物です。交通機関の発達でその数は減りつつあるものの、アンデスの山岳地帯では今も尚、主要な輸送手段として重宝されているのです。



優秀なお父さん
ラマの妊娠期間は1年弱、一産一仔で、産まれた仔は1時間ほどで立ち上がります。家畜種であるだけに繁殖力は旺盛なはずですが、とべ動物園では1988年の開園以来、ずっと赤ちゃんが産まれませんでした。ところが4年前に新しいオスのへいぞう君がやってきた途端、春子さんと初子さんという二頭のメスが競い合うように、ポコポコ赤ちゃんを産むようになりました。特に春子さんの方は3年連続でお正月に出産したという、とってもおめでたいお母さんになっています。どうやら先代のオスは脚が悪かったため、うまく交尾ができてなかったようです。





しばらくお休み
今年は、「いとよ」と「いよ」の二頭が産まれました。どちらもお父さん譲りの白い毛で、つぶらな瞳をした美人です。現在七頭もの大所帯になってしまったため、これからしばらくは出産をお休みしてもらわなければなりません。そこで、優秀すぎるお父さんのへいぞう君は囲いの中で、メスと分かれて暮らすことになりました。ちょっと不満そうですが、またいつかみんなと一緒になる日も来るでしょう。

                               平成13年6月発行
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