愛媛県立とべ動物園

飼育日記

コウモリてんこモリ

2012年08月02日

【その2】悲喜こもごもの巻

前回「大ちゃん、中ちゃん、小ちゃん(仮名)」の3頭の赤ちゃんが保護されて人工哺育中であることをお知らせしました。
それから今日までに、いろいろなことがあり、「悲喜こもごも」のタイトルになりました。

「悲」

7月11日に保護された「中ちゃん」ですが、しばらくは元気にミルクを飲んでくれたものの、なかなか体重が増えず、23日からはあまりミルクを飲まなくなってしまいました。それでも、時間をかけてゆっくりゆっくり飲ませるようにして、何とか育ってほしいと願っていたのですが、25日に亡くなってしまいました。3頭の中ではたった1頭のオスでした。
前回もご紹介した通り、あまりにも小さいコウモリの赤ちゃんの人工哺育はなかなか難しく、無事に育つ方が圧倒的に少ないのですが、やはり、小さな体で頑張っていた子が途中で亡くなってしまうのはつらいものです。
自分の無力さを痛感し、残った2頭についても、「どうせもう駄目じゃないかなあ?今年もちゃんと育ちそうにない」などと考えてしまい、とても気持ちが萎えた数日間を送りました。

「喜」
アブラコウモリ:唯画伯作
「アブラコウモリ:唯画伯作」

そんな中、こんな素敵なプレゼントをいただきました。手描きのコウモリのポストカードです。
以前、コウモリランチガイドをご覧になった「唯さん」とおっしゃる方が「コウモリがすごく可愛かったので描きました」と持ってきて下さいました。しかも、今度はお友達も連れてランチガイドを見に来て下さったのです。ほとんど告知せず、ひっそりと行っているガイドですので、こんな出来事があると、とても元気が出ます。ただ、このポストカード、あまりにもったいなくて使えません(笑)。
コウモリを知らない人にもっと知っていただくために、そして、何度も来て下さるリピーターさんの期待に応えるためにも、残る2頭のチビチビコウモリは、絶対育てるぞ!!と、コウモリ母さんTはもう一度やる気ムクムクになりました(単純ですが・・・)。

そしてもう一つの「喜」
デカちゃん:一目でコウモリとわかります

7月22日に亜成獣(あせいじゅう)のアブラコウモリが保護されてきました。「亜成獣」というのは「幼獣」と「成獣」の中間で、いわば「もうちょっとで大人」 というところまで成長した個体です。体毛も生えそろい、一目でコウモリとわかります。体重も4.2gあり、成獣に近い大きさになっています。

しかし、ここで一つ問題が発生。
小さい赤ちゃんにはミルクを与えますが、ここまで成長した個体には何を与えればいいのでしょう?もう自分で自由に飛びまわって虫を捕まえて食べているのでしょうか?でも、まだ飛ぼうとする様子が見られません…。

デカちゃん:こんなにデカい

そこで、ミルクを中心に与えて、まず体力を回復させてから離乳食?(ミルワーム)を試すことにしました。
一日目はほとんどミルクを飲みません。口のところにミルクを垂らしてもなかなか飲もうとしてくれません。それでも、何とか少しなめてくれました。翌日にはお腹もすき、ミルクの味も覚えたのでしょう。よく飲むようになりました。離乳食代わりのミルワーム(幼虫)の中身の柔らかいトロトロもよく食べます。
この調子でうまく離乳できるといいのですが、それはまた次回にご報告します。ちなみに大ちゃんよりもずっと大きいので「デカ(仮名)」と呼んでます。

いろいろなことが起こるコウモリの人工哺育ですが、さあ、3頭のチビチビたちはしっかり育ってくれるでしょうか?
次回をお楽しみに。(T)

コウモリ豆知識

どうしてアブラコウモリばかりが保護されてくるのでしょう?
実は、彼らが人間の家の屋根裏や壁の隙間、雨戸の戸袋などに住んでいるからです。最も人に身近な哺乳類なのです。天井裏で生まれた赤ちゃんが節穴から部屋の中に落ちてきたり、部屋に入ってきたコウモリが赤ちゃんを生んで置き去りにしたまま飛び去ってしまったりして、人に見つかって保護されるのです。
狭い所が大好きで人家に住む彼らは、以前は「イエコウモリ」と呼ばれていました。今では「アブラコウモリ」という名前が一般的ですが、決して油を舐めるわけではなく、学名の「Pipistrellus abramus(ピピストレルス アブラムス)」が由来です。

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