愛媛県立とべ動物園

飼育日記

コウモリてんこモリ

2012年08月13日

【その3】疑惑の小ちゃんの巻

さて、7月上旬に保護された「小ちゃん」と「大ちゃん」、順調に体重も増えてきましたが、「小ちゃん」には実は最初からある疑惑がかけられていました。
それは「小ちゃんはほんとにアブラコウモリなんだろうか?」ということです。

生まれたばかりで保護された彼らには、ほとんど体毛が生えていなかったのですが、アブラコウモリはもともと肌が黒く、真っ黒な赤ちゃんです。でも、小ちゃんは少しピンクがかった肌色だったのです。体重も保護された3日後に測って1.07gでしたから、もともとは1g以下だったはずです。
でも、じゃあ、何コウモリ?他のコウモリの赤ちゃんなんてほとんど見たことがないので、わかりません。
ユビナガコウモリの赤ちゃんはピンク色の皮膚だったと記憶していますが、ユビナガの成獣はアブラコウモリの倍以上の大きさですから、赤ちゃんもきっと大きいことでしょう。

小ちゃんの鼻に謎の何かが!!

そうこうする内に、さらに疑わしい出来事がありました。
なんと小ちゃんの鼻先に何かができたのです。ゴミがついたのか、かさぶたなのか、それともこんな顔のコウモリなのか?
かさぶただったらすごく心配です。どうしてこんなものができたのでしょう?ゴミだったら取ってやった方がいいのですが、結構しっかりした組織っぽいものだったので、もしこんな顔のコウモリだった場合、無理に取って大変なことになっても困るし…。
結局、気になりつつそのままほっておくことにしました。幸い、呼吸や授乳にも不自由はないようでした。7月23日頃にできたこの物質がとても気がかりなまま、さわれずにいたら、27日の朝にはきれいに取れており、現れたのはアブラコウモリの顔でした。

謎の何かが取れて、アブラコウモリになった小ちゃん

肌がピンクがかっていたのもおそらく個体差なのでしょう。人間でも、色の白い人、黒い人、背の高い人、低い人など、個人差がありますからね。それにしても「謎の何か」の正体はいったいなんだったのでしょう?飼育ケースの中を探しましたが見つからず、不明のままです。

小ちゃん、大ちゃん共に少しずつ体に毛も生えてきました。立派なアブラコウモリになる日を夢見て、コウモリ母Tはまだまだ奮闘中。夜中に一回授乳するのに加え、オリンピックも見なければならず、睡眠不足の日々はまだまだ続きそうです(笑)(T)

8月6日の体重

小ちゃん 大ちゃん デカちゃん
2.79g 4.09g 5.47g
コウモリ豆知識

アブラコウモリの学名がなぜ「abramus」になったのでしょう?
実は、江戸時代に長崎からアブラコウモリの標本を持ち帰ったのは、かの有名なシーボルトだそうです。なんと長崎では、コウモリのことを「アブラムシ」と呼んでいたらしく、それがこの名の由来という説もありますが、果たして本当はどうなのでしょう?
虫を求めて灯火に寄ってくるコウモリ…、電気のなかった時代は燃料と言えば油でしょうから、油を舐めに来ると勘違いされたのかもしれません。私個人的には「イエコウモリ」という名前の方が好きなのですが、現在の標準和名は「アブラコウモリ」とされています。

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