愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

一石三鳥!?

とべ動物園も開園から20年以上が経ち、園内の若かった木々も貫録のある大きさにまで成長しました。公園の側面も持ち合わせている動物園としては喜ばしいことなのですが、一方では困ったことも出てきました。


それは日当たりの問題です。夏の暑い日差しを遮ってくれるのは良いことなのですが、冬場に日当たりが悪いと、寒さで体調を崩す動物も出てきます。その他には、自分たちの周りの日当たりが悪かったり、圧迫されるような雰囲気だったりすると繁殖に差し障る例もあるようです。
実は当園のアンデスコンドルの夫婦もここ数年繁殖が滞っています。エサの種類や年齢などの要因も考えられますが、繁殖再開の起爆剤になればと、周囲の木を一部伐採しています。やや大き目の木も切るため大量の枝葉が出ます。この処理が困ったものです。燃やすわけにもいきませんし、ゴミに出すとしてもかなりの量です。

その対処法はいかにも動物園的な解決方法をとります。まずはエサとして動物たちに食べてもらいます。クロサイは主食が木の枝や葉っぱなので、新鮮な木は喜んで食べてくれます。噛む力が強いので直径3センチくらいの枝ならゴリゴリと音を立てながら食べてしまいます。ほかにもバクやサルの仲間たちにも人気です。
残りの太い枝や幹の部分は環境整備に使います。具体的には鳥類の止まり木になったり、サルのおもちゃになったりします。

木を切ることによって、日当たりが良くなり、エサができて、環境整備もできる。まさに一石三鳥ではないでしょうか?ただかなりの体力を消耗することが唯一の問題点です!