愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

アジアスイギュウの未来(みく)ちゃん

当園では、1998年の開園以来アジアスイギュウを飼育していますが、現在は雌の未来ちゃんを1頭飼育しています。この未来(みく)ちゃんは、2006年9月12日に国内の動物園では初めて人工授精によって誕生した個体です。母親のコボンは2011年10月に亡くなっており、それ以来スイギュウ舎では一人ぼっちで淋しく生活しています。
アジアスイギュウは本来、水辺の近くに生息しており、動物園でもプールに入り水が大好きな様に思われますが、この未来ちゃんは大のプール嫌いです。小さい時にプールで怖い目にあったのか、夏の暑い日でも全くプールに入りません。亡くなったコボンお母さんはプールが大好きでいつも入っていたのですが・・・。未来は雨が降りだすと、獣舎のひさしの下の雨が当たらない所でじっとしており、水嫌いの様子がうかがえ、可愛くも思えます。さすがに夏の暑い時期は背中などに水をかけて体温を下げてあげます。その時はじっとして喜ぶこともありますが、プール嫌いはなかなか克服しそうにありません。しかし、浅い水溜りで遊ぶのは大好きで、いつもドロドロになっています。
一人ぼっちになった未来ちゃんを少しでも楽しませようと、時々話しかけてあげたり、ブラッシングをしてスキンシップを行っています。又、不定期ではありますが、来園者の方に未来の近くまで来てもらい、柵越しにエサやりなどのスキンシップ体験を行っています。

与えるエサはカシの枝葉ですが、舌で巻きつけて力強く食べる姿を間近でご覧になれます。
このようなスキンシップで、未来ちゃんにも来園者の方にも喜んでもらい、少しでも未来ちゃんにとって幸せな時間になれば良いと考えています。

エサやりに夢中になり、ふと後ろを振り向くとヒトコブラクダのブービー君が僕にもちょうだい!と言わんばかりに、長い首を伸ばしてこっちを見ていますので、この際、ヒトコブラクダのブービー君も間近でご覧になり、食べ方の違いなどを観察してください。
ちなみに、ヒトコブラクダのブービー君は柔らかいくちびるを上手に使ってカシの葉を食べます。

今後機会があれば、未来ちゃんで人工授精に挑戦し、可愛い赤ちゃんが誕生すればいいなと思っています。みなさん是非、未来ちゃんに会いに来てください!未来ちゃんのお勧めポイントは可愛い鳴き声と長い舌で鼻の穴をきれいにする仕草です!!