<9/3更新>ライオン(クレイ♀)の被毛の汚れについて
クレイは、寝室の壁や柵に頭部や体を擦りつける癖があり、そのため被毛の抜けや顔の周辺が黒っぽく見えることがあります。擦りつけをする寝室内の壁には皮脂(他のネコ科動物より皮脂の分泌が多い)などが付着してくるため、できるだけ壁や床の汚れを取り除き、被毛が汚れないように清掃を行っています。カルキ等の漂白効果のある薬剤を使用すればより効果的ですが、刺激臭により、クレイにとって自分の部屋が居心地の悪い環境になってしまうことに配慮して、週一回の使用にしています。
寂しいのではないかというご質問もいただきます。以前より、室内で他の飼育個体と柵越しにお見合いを行っています。しかし、クレイが避ける様子も見られるため、時間をかけて様子を見ています。最近、少しずつですが落ち着いてきているようにも見えますが、早く、無理やり、という選択肢は考えていません。ミックスの際の事故を避けるためにも同居については、クレイのペースに寄り添いながら時間をかけて見極める必要があると思っています。
クレイは、発育に伴い成獣化しています。その為、SNSやオンデマンド動画で見る幼い頃のイメージとは違い、ライオンらしい険しい眼差し、顔つきへと風貌が変わってきています。ライオンらしく順調に成長している表れでもありますことをご理解くだされば幸いです。
今後も、クレイはじめ動物たちの幸せを考えて、飼育に努めてまいります。どうか温かく見守っていただきたいと存じます。
<7/12>ライオン(クレイ♀)の近況について
ライオン(クレイ♀)の様子についてお知らせいたします。本年5月、当園に移送を完了した際、80kgだった体重は順調に増加し、成獣の雌ライオンの力強さを感じるような体形に成長しています。部屋の中では、
ブイを上手に転がしながら楽しそうに遊んでいて、お肉もペロッと完食しています。放飼場では、自分が好きな岩の上でリラックスした体勢をとり、のんびりサバンナエリアの草食動物た
ちを眺めて過ごしています。飼育環境にもよりますが、基本的に成獣のライオンは(夜行性であり)薄明薄暮性なので日中、放飼場では活発には動かないことが多いです。サプリメントの投与については、円山動物園様からも丁寧な引継ぎを受けており、現在、より効果が期待できるものを試して様子を見ているところです。目の症状については、獣医師が確認していますが、現在は直ちに治療が必要な状態ではないという所見です。クレイは檻や壁に顔をよく擦りつけるので、顔周辺の被毛の汚れも含めてそのことが原因ではないかと考察しています。引き続き経過観察を行うこととしています。四国では、熱中症警戒アラートが発表されている日もあり、これからは暑さ対策が必要となってきます。暑さの為、放飼場に出たがらない個体もいます。アニマルウェルフェアの考え方を重視していますので、出たくない時は無理して展示を行わず、ライオンに選択肢を与えています。その為、ローテーションを確認してご来園されても、お客様がお目当てにしている個体が出ていないこともあり、ご迷惑をお掛けする場合があることをご了承ください。10頭のライオンたちの健康面に関しては常に担当者と獣医師が慎重にチェックを行っていますので、どうかご安心ください。
現在、ネット上に溢れているオンデマンド動画やSNSでは、動物の擬人化やペットのように取り扱われているものも散見されます。中には作為や主観が入り過ぎたものや不適切なコメントなどによりミスリードされている情報もございます。
動物園で飼育されている動物は愛玩動物ではありません。ライオンは動物愛護管理法において特定動物(危険な動物)に指定されている種となり、飼育員に馴れているように見えても適切な距離をとることが管理上、不可欠となります。私たちは動物園で働く者の知識・経験に基づいて判断をしながら、動物たちに愛情をもって、日々の飼育に努めていますことをご理解ください。