動物なんでもQ&A
動物のことや、ペットのことなど動物園にはいろいろな質問が寄せられます。
ここでは、そんな質問をまとめてみました。
あなたの知りたいこと、聞きたいことがここにあれば参考にしてくださいね。
さあ、あなたはどの動物のことが知りたいかな?
- リスを飼っているのですが、上あごの前歯が1本だけ伸びすぎてしまい、エサも食べにくそうにしています。どうすればいいのでしょうか?
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やわらかいエサばかりあげていたりしませんか。あるいは、かご(ケージ)のあみをカリカリとかじるクセはありませんか?
リスなどのげっ歯類やウサギの仲間の前歯(門歯)は一生のびつづけます。ふつうはエサを食べる時に歯と歯がすりあわさりちょうど良い具合に歯がすり減っていくものなのですが、柔らかいエサをたくさんあげていたり、よくない環境で飼育していたり、あるいはあみなどのかたいものを良くかじる“かみぐせ”などによって、上下の歯の片方または両方が異常に伸びてかみ合わせが悪くなることがあります。これを「不正咬合(ふせいこうごう)」といいます。
一度伸びすぎてしまった歯は、しばらくは定期的に切ってやらなければいけません。硬いケージの網を咬んで歯が折れて変形したり、細菌感染を起こしてむし歯になってしまっている場合もありますから、まずはきちんと動物病院の獣医さんに診てもらってください。そのあとで、必要に応じてエサを変えたり木などのかじって遊べるおもちゃを入れてあげたりすると良いでしょう。
- 家の天井裏にイタチが入り、夜中にはバタバタと走り回る音が聞こえます。どうすれば追い出すことができますか?
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イタチはネズミなどの小動物をエサにしていますが、エサを追いかけているうちにお宅の屋根裏に迷い込み、あまりに快適だったので住み着いてしまったのではないでしょうか。
イタチは「ため糞」といって1カ所に糞をしますので、そのまま放っておくと天井にシミができたりして大変です。野生動物ですからむやみに捕獲することはできませんし、メスのイタチはネズミの天敵として狩猟鳥獣からも除外されています。強烈なニオイで動物を寄せつけないようにする色々な商品(忌避剤)も売られていますので、それらを試してみるのも良いかもしれませんが、たとえ偶然追い出すことに成功したとしても、出入り口をふさがない限りは別のイタチが進入する可能性があります。
- 家の中にヘビが入ってきたのですが、どうすればよいのでしょうか?
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正直なところ、これを追い出すための決め手となる手段はありません。
ヘビも出口がわかり用が済めば出て行くと思いますが、それまで待てない場合はヘビを触れる人を呼んで捕まえてもらい、どこか外へ連れ去ってもらうしかないでしょう。燻煙(燻煙式の殺虫剤や線香)や強い臭いの薬品を使えば一時的にいなくなるかもしれませんが、その効果は永久に続くわけではなく、追い出した後に出入り口を見つけてふさいでおかなければ何にもなりません。また、ネズミなどエサとなる動物の駆除をおこなうことも結局一時しのぎの手段でしかありません。
ヘビが家の中に入ってきた理由としては、いくつかの可能性が考えられます。ヘビの通り道にたまたまあなたの家があったか、エサを追いかけているうちにまぎれ込んでしまったという偶然の可能性、あるいはあなたの家にはエサとなるネズミなどの小動物が豊富にいたからなのかもしれません。いずれにしても、ヘビは望んで人の家に長居をしようとはしないはずです。別項の「ヘビを寄せつけない方法」も参考にして、何とか平和的な解決策を探してあげて下さい。
- 家の庭にヘビがよく出てきて困っています。どうすればヘビが来なくなりますか?
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ヘビがやって来るのは、そこが隠れ場所の多い通り道であったり、食べ物が豊富にある良い場所であったりするからだと考えられます。そのため、以下のような方法で隠れ場所をなくして、エサとなる動物を寄せつけない方法が有効です。
家のまわりの草や低木を刈り、50cmから100cmほどの幅で地面がむき出しのゾーンを設けます。
また、庭にはグランドカバーとなる植物を植えず、石垣や材木など隠れ場所となりそうな隙間のできるものはできるだけ減らすことが大切です。ヘビのエサとなるげっ歯類は定期的に駆除を行い、またそれらげっ歯類が食物に近づけないように穀類などの保管を厳重におこなうことも大事です。いずれにしても、ヘビを引き寄せている責任は人の側にあるということを覚えておいて下さい。
- マムシは口から子どもを産むというのは本当ですか?
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マムシは卵胎生で、お腹の中でふ化した仔ヘビを産みます。仔ヘビは、母ヘビのお尻にある総排泄腔と呼ばれる部分から産まれるのであって、消化器官である口から産まれるなんてことはありません。
昔からよく言われている迷信の1つですが、大きなヘビが小型のヘビを食べるところを目撃されたか、死亡した雌ヘビのお腹から誕生間近のこどもが見つかったことなどが想像されて言い伝えられたと考えられます。
- コウモリの赤ちゃんを拾ったのですが、どうしたらいいのでしょうか?
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まず、拾ってきたのは本当に赤ちゃんコウモリなのでしょうか?
アブラコウモリという種類は大人でも体長5cmで体重10g以下と小さく、よく赤ちゃんコウモリと間違われます。出産シーズンにあたる6月から7月には幼獣が民家に迷い込んだり、冬眠前の10月頃には越冬場所を探しに迷い込んだ個体などが多く保護されるようです。
大きなケガをしていたり、毛も生えていないような赤子でない限りは、屋外の木や壁などにぶら下げておけばそのうちどこかへ飛んでいくでしょう。コウモリは、蚊や蛾など小型の昆虫をエサにしており飼育はとても難しいとされています。
衰弱している場合でも、一時的に水やミルクを与えて脱水を防いでやる程度にとどめ、なるべく早く保護施設等へ連絡をとり、専門家にまかせましょう。
- ペットで○○○を飼っているのですが、都合で飼えなくなりました。動物園で引き取ってくれませんか?
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答えは「No(=ダメ!)」です。
ふえすぎたウサギや大きくなったカメやイグアナ、はたまた小さい頃は可愛らしかったのに大きくなったために手に負えなくなったニホンザルなど、動物園で引き取ってもらえないかという、残念ながらよくある質問です。
動物は何も悪くないはず、すべては人の身勝手な都合でしかないのです。一度飼った動物は、終生面倒をみなくてはならないと法律にも定められています。何とかして飼い続ける方法を探してあげて下さい。
動物を飼う前に次のことを考えましょう。
a. 動物のことを知りましょう。
動物のエサ、飼育環境、寿命、習性などについて正しい知識を身につけて下さい。間違ったエサや飼育方法で動物の健康を損ねたり、知らないうちに繁殖してふえすぎて飼えなくなったなんて話も良く耳にします。動物の健康と福祉のためにも、動物に関する正しい情報を自分で集めて自分で勉強しておくことが大切です。
b. 自分のことを知りましょう。
エサ代はもちろん、は虫類などを飼う場合にはヒーターや照明器具などの光熱費、あるいは水槽や小屋などの飼育施設そのものの経費もばかになりません。これら経済的な面についても一度真剣に考えてみて下さい。たとえば、飼った時に手のひらサイズだった動物があっという間に大きくなり、飼うところに困って手放さなくてはならなくなったというのはよくある話です。また、自分の健康についても考えなくてはなりません。動物を飼うには、案外体力を必要とします。自分の体力に応じたサイズや習性の動物を選ぶことも大切ではないでしょうか。
そして何よりも、動物を大事に飼育しようとする責任感と強い意志が必要なことをよく考えて下さい。
c. 2人(?)の将来について考えましょう。
いつまでも変わらない関係を、その動物と続けることができますか。たとえば将来、引越や進学、あるいは結婚などで自分の生活の転機が訪れた時にも、動物のことを優先してきちんと考えられるようでなければなりません。変な話ですが、サルやインコ類など思いのほか長生きする動物を飼う場合は、自分の寿命も考えた上で飼う必要があるでしょう。
また、将来その動物が病気になった時のことも前もって考えておきましょう。自分で治療できるほどの知識や技術を身につけられればいいですが、そうでない場合は動物病院の獣医さんに診てもらう必要があるでしょう。しかし、イヌやネコといった一般的なペット以外の動物を診てもらえる病院は、残念ながら少ないのが現状です。病気になってから病院を探すのではなく、飼い始める前に色々な動物病院やペットショップに相談して、現状を知った上で飼えるかどうか判断することも大切です。
- ツバメの巣が壊れてヒナが落ちてしまった時はどうすればいいですか?
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ヒナが元気であれば、出来るだけ早く空き箱やザル、カップラーメンのカップなどで即席の巣を作りその中にヒナたちを入れて、元の巣の近くへ固定してみてください。
簡単に、自分で育てようと考えてはダメです。特に、ツバメなど昆虫食の鳥を育てるのは簡単ではありません。ツバメの親と同じ愛情と手間をかけることは人間には出来ません。即席の巣をかけてからしばらくは親も警戒しています。姿を隠して注意深く観察してください。
- ペットショップでかっこいいカメ(ワニガメ)を見つけました。どうやって飼えばいいですか?
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「ワニガメ」はガメラのモデルになったとも言われる人気のカメで、とても大きくなり非常に凶暴です。
しかし、ペットショップで気軽に買うことができ、川などに逃がしたものが大きくなり問題になっています。ワニガメは、愛媛県の条例で危険動物に指定され、飼う場合には申請書の提出や条件を満たした鍵付きの頑丈な施設が必要です。
- カナヘビ(トカゲ)が庭に出てきて怖いのですが、追い払う方法はありますか?
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春になり暖かくなると、日当たりのいい玄関先などで日向ぼっこをしているカナヘビを見かけることが多くなります。彼らは、植物の根元のような適度な湿気が保たれるような場所で卵を産んだり眠ったります。
追い払う確実な方法は、草を刈るなどして住む場所を無くすことしかありません。しかし、カナヘビは、のんびり日向ぼっこをしているだけです。一緒にのんびりしてみるくらいの気持ちで、付き合ってみてください。