野生動物保護の基礎知識
とべ動物園では、愛媛県から委託を受けてケガや病気などで弱った野生動物 の保護活動をおこなっています。持ち込まれた野生動物は状況に応じて適切な治療や給餌を行い、元気になれば保護場所やもといた場所にかえします。毎年400件以上の保護動物が来園します。ほ乳類ではタヌキ、キツネ、ノウサギ、ムササビ、鳥類ではスズメ、ツバメ、フクロウなど本当に多種多様の動物たちが持ち込まれます。
(ご注意)
愛媛県内の野生動物を対象としています。他県の方は管轄の自治体にお問い合わせください。
巣立ちビナを拾わないで!
- 巣立ちして間もない鳥は、上手に飛ぶことができません。地面にいることが多く、しばらくは親鳥がきちんと世話をしています。このような幼鳥を連れ帰ることは、親鳥にしてみれば我が子を誘拐されたようなもの、野鳥に詳しい人たちの間では、こういった大きなお世話行為を「善意の子さらい」と呼んでいます。車や人通りの多い危険な場所ならば、安全な茂みや木の枝などにとまらせてあげたりするなど、ちょっとした手助けだけで十分です。
心配だからと近くで見守ることも親鳥にはいい迷惑、できるだけはなれたところから観察して、元気そうならばそのままそっとしておいてあげることが大切です。
ノウサギやシカの赤ちゃんを保護しないで!
- 動物の赤ちゃんはお母さんと一緒にいるのが当たり前と思っていませんか?
実は、ノウサギやシカの赤ちゃんはお母さんと離れて草陰などに身を潜めています。お母さんは、一日に2、3回お乳をあげに来るのです。決して、お母さんと離ればなれになった訳ではないので、間違えて保護しないように。
本当に人の手助けを必要としている動物かどうかをよく考えてみてください。
とべ動物園でおこなっている「保護活動」の事業は、あくまでも「野生動物の自然復帰の手助け」を目的にしています。元気になり自然の中でも十分にやっていける状態になった動物は、もといた場所やその近辺に放すことになります。ですから、もし元気な状態の動物が持ち込まれた場合はそのままもといた場所へUターンすることになります。
野生動物は本来自然の中で自由に生活しているもの、人の都合でそのすみかを移動させたりそこから追い出したりしてはいけません。