愛媛県立とべ動物園

飼育日記

ゾウキーパー奮闘記

#20 波乱の幕開け

 新年度になり、ゾウ班は2人の新人職員を迎えました。2人が安全にゾウの飼育作業ができるように仕事を覚えてもらうなか、ゾウの運動場と寝室の出入口への通路を仕切っているゲートの一つが壊れてしまいました。そろそろ危ないのでは・・・とは思っていましたが、修理には多額の予算と時間がかかるため、ここ数年は様子を見ながら作動させていました。でもなぜこのタイミングで!
 今回、開ききった状態で作動しなくなったため、ゾウが寝室と運動場の間の通路に自由に入れる状態となり、寝室の出入口の扉のケーブルや配管が外側のすき間から鼻を突っ込み壊されてしまう危険性が生じます。そうならないように数日間は壊れたゲートがある広い運動場の使用を中止しましたが、いつまでもそうするわけにはいかず、これはもう通路に入れないように塞ぐしかない!ということで施設担当の職員に相談して単管を2本溶接してもらい、さらにチェーンを張って通路を塞ぎました。
 しかし、ゾウを侮ることなかれ。溶接した単管のバリケードは翌日の朝イチでカランカランッとすぐに破壊されてぐにゃりと曲げられてしまいました。恥ずかしながらゾウという動物の力と好奇心を過小評価しておりました。そして、残ったチェーンで遊ぶ砥愛。
 後日、さらに強度を高めるために単管の中にコンクリートを詰めて、縦に3本の単管も追加し、最後に電柵を張ると、さすがのゾウたちもいたずらすることはなくなりました。ホッとひと安心。これでしばらくは乗り切れそうです。
(アフリカゾウ担当 濱田純基)