夏の暑さも終わり、とべ動物園にも秋がやってきました。秋と言えば食欲の秋、読書の秋などと言われておりますが、シカ舎では秋になると雄のキュウシュウジカの角が袋角から本格的な角へと変化して立派な角で堂々と俺が一番!そんな感じで歩き回るシカの雄達が観察出来ます。
時には担当者の我々にもツンツンに研ぎ澄まされた角を向けて近寄ってくることもあります。普段より注意をしてシカの運動場の清掃に入りますが、このシーズンは一緒に暮らしているシカ同士も、世話をする飼育員も非常に危険です。
そこでこの時期になるとシカたちの安全と飼育員の安全を考慮して角切りを行います。安心してください。角は毎年新しい角が生えてきます。切るといっても角はカルシウムの塊で神経も通っていないので切っても痛くはありません。同時にシカたちのプライドまで切ってしまう事になりますが、切った後は頭も軽くなり餌も食べやすくなり、シカ達の群れにも来年の夏まで平和がやってきます。
すっかり見た目も性格も新規一転、動物園のシカ達にとっては、変身の秋ともいえるでしょう。温和なシカの群れを観察してまったりしてみてはどうでしょう?
(キュウシュウジカ担当 山﨑洋介)