愛媛県立とべ動物園

お知らせ

ショウ君の削蹄

色んな道具を使います

 当園には蹄という固い爪をもった動物が数種類暮らしています。キリン然り、ウマの仲間然り、ウシの仲間然り、イノシシの仲間然り…。野生下ではこの固い蹄も自然と擦り減ってくれるのですが、飼育下ではどうしても運動量が少なくなるため蹄が伸びすぎてしまう個体が出てきます。
 そこで定期的に「削蹄」という蹄を削る作業を行うのですが、殆どが人間よりはるかに力の強い動物たちで、削蹄を行うには麻酔で眠ってもらうか削蹄中大人しくしてもらうようなトレーニングが必要です。また動物によっては蹄の質が非常に硬く形よく削るのも一苦労です。
 さて、当園のラマ舎で暮らすロバのショウ君。彼は非常におとなしい性格で、削蹄時も麻酔等なしで嫌がらずにさせてくれる数少ない動物の一頭です。ただ、先にも述べたようにロバの蹄は非常に硬く削蹄にも時間がかかります。いかにおとなしいショウ君とはいえ長時間の拘束は困難です。でもこの固い蹄を柔らかくする方法が一つあります。それは雨です。雨で少々ぬかるんだパドックでしばらく過ごすと水分のせいで蹄は少し柔らかくなり、あれほど堅かった蹄があら不思議、柔らかめの鰹節を削るようにスパスパと削れていきます。
 ショウ君の蹄が伸びてきたなと感じたら天気予報などで何時が雨の翌日になるかを予想して、そこに獣医師のタイミングを合わせてもらい削蹄の予定を立てます。蹄が伸び歩行に少し違和感が出ていたショウ君でしたが、9月末の長雨の時を狙って削蹄を行いました。今は足取りも軽くパドックを闊歩していますよ。
(ロバ担当 田村昌吾)

サクサク削ります