愛媛県立とべ動物園

お知らせ

コウモリ受難の冬

①こんなに小さい赤ちゃん7月頃に保護されます

 こども動物センターで飼育しているアブラコウモリはすべて保護個体です。病気や怪我で弱った個体や、お母さんとはぐれた赤ちゃんなどが保護されるのですが、何となく季節的な傾向があり、ほとんどは春先と夏に集中しています。日本に住んでいる小型のコウモリは冬になると冬眠するので、保護される可能性が低いのです。
 ところが今年の冬は全然様子が違います。1月に入って、県内で保護されたコウモリが2頭いたばかりでなく、県外からも「コウモリを保護しました」という電話相談が4件寄せられました。保護コウモリのお世話をするようになってから20年くらい経つのですが、こんな冬は初めてです。一体コウモリたちに何が起こっているのでしょうか?
 コウモリは冬眠中でも暖かい日に目を覚まして水を求めて飛び出すこともあります。また、あまり気温が下がりすぎると、凍死を防ぐために自ら目を覚まして体温を上げることもあります。今年はことのほか気温の上がり下がりが激しくて、コウモリもおちおち寝ていられなかったのでしょうか?いずれにしても10年に一度と言われた大寒波の襲来もあり、コウモリたちにとって受難の冬だったことは間違いなさそうです。
 ちなみにこの冬保護された2頭の内の1頭はとべ動物園の調理棟(動物たちのご飯を貯蔵する大型冷蔵庫がある場所)でコンクリートの上に落ちていました。飼料担当のOさんは最初見つけた時に「キウイが落ちている」と思ったそうです。ところが拾ってみると生きたコウモリだったので、急いでこちらに連絡をくれました。さぞかしびっくりしたことでしょう。その日保護されたコウモリは「ズー(zoo)君」と名付けられ、温かい室内でおいしいミルワームをバリバリ食べて元気を取り戻しています。こども動物センターで見ることができますよ。
(ボランティアセンター長 田村千明)

②大人でも10円玉と比べてこの大きさ

③ズー君、キウイに見える?