愛媛県立とべ動物園

お知らせ

小夏の変化

だいぶ顔をさわらせてもらえるようになりました

 暑い夏が終わり季節の移り変わりを感じる今日この頃、キリンの小夏にもこれまでと違う行動の変化が見られています。小夏はリュウキと杏子(あんず)の二産目の仔でリュウトの妹です。警戒心が強くて怖がりな性格で、兄リュウトの成長を見てきた私からすると、こうまで兄妹で性格が違うのかと驚くばかりです。飼育係に対して最初から警戒心が低かったリュウトに比べ、小夏は常に危険物を見るかのように私を警戒してきました。少しずつ慣れてきたかなと思い、葉っぱをあげている時にどさくさに紛れて顔に触れてみると、小夏は一目散に走って逃げ、遠くからまた冷たい視線を送るといった日々でした。しかし最近は小夏の方から積極的に近づいてきてくれるようになりました。もちろん小夏は餌を求めて寄って来るのですが、手から与える餌もよく食べて顔に触れることもだいぶ許してくれるようになりました。
 また、小夏は隙あらば母親のおっぱいを飲もうとする執着心の強い一面もありました。特に毎朝行う杏子の体温測定のときは、杏子がじっとしているのをいいことに小夏はおっぱいにすぐ吸いついてきます。しかしそれを許さない杏子は動いて小夏を引き離すため、その度に体温測定をやり直さないといけないといった日が多くありました。それが最近ではおっぱいに向かうことがなくなり、体温測定中の杏子が食べている餌をもらいに来るようになりました。小夏はずっと人間不信のまま大人になっていくのかと不安に思う日もありましたが、この小夏の変化には今後の健康管理にも期待できそうです。
(キリン担当 宮越聡)

リュウトの検温中に餌をもらいにくる小夏