愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

ブラッザモンキーの飼育日誌から

動物達を24時間監視カメラで監視しながらの飼育管理だと様々な行動がわかりますが、多くの施設では24時間監視できる施設はありません。そのためにキーパーは動物達の日々の観察と記録することが大切なのです。 では・・・ブラッザモンキーの日誌から。 ブラッザモンキーの赤ちゃんが4月13日に生まれたことは最新のニュースでお知らせしましたが、この赤ちゃんが生まれるまでの半年間(妊娠期間は6ヶ月弱)の群れの行動記録を見てみることにしましょう。

・10月31日の午前中、パドックにおいてタイラがパンドン、パゴスに少し攻撃し、パンドンは、お昼に与えるエサを食べようとしませんでした。少し落ち込んだ様子でした(発情、交尾?)。
・11月2日の日中、パゴスはエサを吐き戻していましたが元気はありました。ベルはパンドンの背中を強めに押したりしていましたが、パンドンは無視。
・11月3日の朝、放飼前にパゴス(口の周りが少し汚れている)がエサの吐き戻しをしていた様子だが、元気はある。
・11月4日の朝、放飼前にタイラがパゴスに威嚇している。放飼後、タイラとパンドンが仲良くグルーミングを行なっていた。
・11月10日の朝、室内に吐き戻しがある(パゴスか?個体不明 4頭とも元気)
・12月18日の昼、昼のエサ時間にタイラとパゴスがパンドンに攻撃をするパンドンはショックで10分程パドックの隅っこでふさぎ込む。
・1月8日の日中、パンドンはタイラが近くに来ると逃げる。
・2月19日の日中、ベルがパゴスに甘えて(赤ちゃんの鳴き声を出す)胸にしがみつこうとするが、パゴスは抱っこすることを拒否する。
・2月27日パゴスのお腹がぽっこり大きく見える(妊娠の可能性あり)
・3月27日パゴスのお腹が張り出してきた。出産近し!
・3月30日パゴスは日中、生あくびが多く、しんどそう。
・4月11日の日中、パンドンがパゴスのお尻を臭ったり、グルーミングをしきりに行なう
・4月13日 8:00 パゴスすでに出産。子供の毛がまだ乾ききっていなくて、寝台上の出血痕も新しいので、出産してからそれほど時間はたっていない。

このように、日誌(記録)から交尾を観察できなくても、行動記録などで発情や交尾妊娠を予測でき、出産に向けた準備が出来ます。今回のブラッザモンキーのパゴスお母さんは子育て経験もあるのでそれほど心配はしていませんでしたが、妊娠後期には体がだるそうでした。 その後、赤ちゃんは順調に成長していて、1歳7ヶ月年上のベルはお世話したくて仕方がない様子です。ベルの「赤ちゃんのお世話記録」も書けそうです・・・。 3世代同居のブラッザモンキーの家族にぜひ逢いに来て下さいね!