愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

新しい個体を展示する(サバンナ編)

新しい個体が搬入されると動物園のキーパーにとってはわくわくする出来事と同時に悩ましい時間が始まる瞬間でもあります。その悩みの中身はと言うと、
1.輸送の途中で怪我とかしていないだろうか?
2.新しい環境にすぐ慣れてくれるだろうか?
3.こちらで用意した餌を食べてくれるだろうか?
4.既存の個体と仲良くやってくれるだろうか? 等々…
中でも4番が一番キーパーを悩ませる問題と言っても過言ではないでしょう。

当園のサバンナ観測センターは皆さんもご存知の通りキリン、エランド、シマウマ、シロオリックス、ダチョウ、ペリカン等が一つのパドック(運動場)を共有しています。新しい個体が搬入された場合、同種の個体はもちろん、他種とも仲良く暮らしてもらわなければここでの展示は成り立ちません。

以前当HPでもご紹介しましたが、6月に東京の多摩動物公園よりシロオリックスのオスが新規搬入されました。一日でも早いパドックでの展示を目指していましたが、同じシロオリックス同士でのトラブルにより計画が大幅に遅れてしまいました。オリックスの組み合わせを変え同居訓練を続けたところ、何とかオリックス単独でのパドック展示ができるようになりました。それからダチョウ→シマウマ(大人しい組)→シマウマ(やんちゃ組)→キリン、と同居させる種、個体を徐々に増やしていき9月上旬なんとかエランド以外の種類との同居にこぎつけました。エランドとの同居については鋭い角を持つ動物、またオス同士ということもあり今しばらく様子を見て、慎重に行う予定です。サバンナ観測センターの動物たちが常にパドックで観察できるようになればまたこのHP上で報告したいと思います。