愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

ありがとう、パニック!

2010年12月1日、メスのクロヒョウ、パニックが老衰(多臓器不全)で息を引き取りました。享年19歳、人間に例えたら80歳以上のおばあちゃんでした。
パニックは1991年11月1日にスイスの動物園で生まれ、1994年3月21日に当園にやってきました。実は、パニックは当園にやってきた時、すでに妊娠していました。そして、妊娠中に輸送された事がストレスになったのか、出産時にパニック状態になってしまいました。そのため、「パニック」というちょっと変わった名前がつけられたのでした。

その後もパニックは、オスのクロとの間に仔ができ、合計4頭の子宝に恵まれました。性格はと言うと、若い頃はイベントで元気な跳躍を見せる等活発な動きを見せ、勢い余って時には担当キーパーをヒヤリとさせることもありました。

晩年は激しい動きを見せることもなく、クロと仲良くお昼寝している姿が印象的な、のんびり屋のおばあちゃんといった感じでした。そして、腎機能が日に日に低下し、投薬などの治療の甲斐もなく息を引き取りました。来園してすぐの出産に始まりおばあちゃんになるまで、来園者にも、キーパーにも、たくさんの思い出を残してくれたパニック。今まで本当にありがとう。