愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

フラミンゴの繁殖

当園ではキューバフラミンゴ6羽、ヨーロッパフラミンゴ11羽、チリーフラミンゴ6羽、コガタフラミンゴ5羽を混合飼育しています。オープンケージのため少しかわいそうですが、翼を切って飛べないようにしています。そのためか交尾がうまくできず、卵は産みますがほとんどがヒナのかえらない無精卵なのです。また最近ではアオダイショウがやってきて抱いている卵を食べるようになりました。ですから産んだ卵は取り上げて孵卵器に入れ、人工孵化を試みるしかありません。

ここ数年で何十個も試みましたが、すべて無精卵でした。5月25日にもヨーロッパフラミンゴが1個産卵していたので孵卵器に入れました。その卵の大きさは短径が55.1mm、長径84.8mm、重さが140gでした。この卵が4年ぶりの有精卵で、入卵してから27日目の6月20日嘴打ちが始まり、22日ついに孵化しました。ヒナの体重は75g,これからは人がこのヒナを育てていかなくてはいけません。

フラミンゴは親がのどにある袋(そ嚢)から出るフラミンゴミルクと呼ばれる液をヒナにあたえ育てます。そのミルクの代わりに猫用のミルクを2倍に薄めたものを使います。1日量は体重の1/3から1/2を目安に5回に分けてあたえました。フラミンゴのくちばしは曲がっていますが、ヒナのくちばしはミルクをもらいやすいようにまっすぐです。孵化してしばらく、足の曲がりを心配してミルクを少なめにしたのが影響したのか、少し成長が遅れ気味なのが気になりますが、今後は群れに入れるようにしたいと考えています。