愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

サル山では...

今年もサル山に一番にぎやかな季節がやってきました。 ニホンザルの繁殖期は秋から冬で、当園の群れでは大体9月から10月に始まり、翌年1月から2月頃まで続きます。この時期、発情したおとな達は顔の色やお尻が真っ赤になり、またメスがオスの背中にぴったり寄り添い2頭で仲良く座っている姿を見ることができるので、私はよく『最も美しくなる季節』とか『恋の季節』などとガイドの時に表現したりしています。 しかし、それだけではありません!発情すると性質がとても荒くなり、ケンカが絶えなくなるのです。来園者のみなさんに心配されるほど、毎日が流血の騒ぎです。そして、その矛先がこちらに向かう時も・・。オスだけでなく普段大人しいメスたちも興奮気味になっているので、特に強い発情がきている若いメスなどは、ふとこちらが顔を見ただけでいきなり『ギャ~!!』とヒステリックに大声で叫ぶことがあります。

顔が真っ赤な分、さらに迫力が増しています。そして、そうなるとオスが怒り狂ってとんできてしまうのです。 また、サル達のいろんなかけひきを見ることもあります。オスが、尾をピンと立てしきりにメスに唇をパクパクさせて紳士的にアピールしたり、メスの中には、攻撃をさけて寝室にひそんでいるオスのところに、誰かの目をぬすみながらこっそりやってくるものがいたり。
本来、メスがオスを選びますが、毎年一番もてるシンというオスには、時々メスが2頭もくっついていて、時々うっとおしそうに追いやることもあります。うとんじられたメスは、ギャーギャー騒いだり、隅に行ってちらちら見ながら鳴いて気をひこうとしたりします。
今年もまだまだ騒動が続きそうですが、そんなサルたちのマル秘話が知りたい方は、ぜひ担当者まで声をかけてください。