愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

スキンケアは忘れずに

冬も本番に入り遠く石鎚山や皿が峰の頂はうっすら雪化粧。動物園のある砥部町は松山市内から比べると1℃から2℃低いようで、昨今の温暖化とはいえやはりこの時期は冷え込みが厳しくなります。
ゾウは厚皮獣といわれておりますがやはり寒さは苦手?体を丸めて小さくなり小刻みに震えている様子が観察されたりもします。また、厚皮獣でも身体すべてが厚い皮膚で覆われているわけでもなく、柔らかい皮膚の場所や薄い皮膚で覆われているところもあります。
そして、この時期少しケアを必要とする場所があるのです。

それは、皆さんもご存知の、体温調節にも使われている耳です。この耳が寒さにとても敏感で、アカギレや霜焼け、ひび割れを起こしたりするのです。体温調節を司る耳は寒いこの時期は体にピタっと付けて体温を奪われるのを防いでおりますが、薄くて体表に出ているため、一番寒さに敏感です。そして寒さが厳しくなる前にケアをしてあげないと、耳の裏側が肩口と擦れ乾燥してひび割れたり、周囲や先端部が凍傷を起こして腫れてきたりもします。そのため当園のアフリカゾウたちにはオリーブオイルや保湿軟膏を耳の周囲に塗布して予防をしております。しかし塗布した部分は水に濡れたように黒く変色してしまいます。冬の間に体の一部や耳が黒かったりするのはスキンケアの為であり少しお見苦しい?こともありますが許してくださいね。