愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

類人猿たちの冬

オランウータンたちのいる類人猿舎の扉を開けると、この時期ぷ~んと甘くてクサい臭いが漂います。それはニンニクの臭いです。寒いこの時期は、類人猿たちの寒さ予防と風邪にも負けない体力をつけてもらうため、ニンニクや長ネギを与えています。一頭あたりの量はさほど多くありませんが、夜間は扉を閉め切っているため特に朝は臭います。このニンニクと長ネギ、全員が好きかと言えばそうでもありません。ネギの苦手な子もいれば、ニンニクの苦手な子もいます。あの綱渡りでお馴染みのディディ(オランウータン)は、長ネギを口に入れて皮をむいたりかじったりはしていますが、どちらかと言えば食べるのは苦手かな。

この他にも、この冬は類人猿たちに落ち葉をプレゼントしました。ディディは落ち葉をかき集めウータンの巣を作りました。イゾウ(チンパンジー)も同じようにチンプの巣を作りますが、落ち葉は少し小さかったようでハンモックを好んで使っていました。イゾウはもう少し長いヤシの葉や、木の枝の方が好きみたいです。また、ディディは落ち葉を抱えて運んだり、広げたりして遊んでいました。 類人猿たちは寒さに弱く、鼻水も垂れるし下痢もします。もちろんヒトと同じように風邪もひきます。そのため、寒い屋外での展示時間は短めですが、ご理解のほどよろしくお願いします。尚、オランウータン、チンパンジー、テナガザルが屋外放飼場(パドック)にいない場合は、屋内展示室でご覧いただけます。