愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

暑さ対策

この時期になるとたびたびニュースに取り上げられる熱中症。実は動物園でも暑さのために倒れる動物がいます。見かけた方もいるかと思いますが、日よけとして寒冷紗やたてずを様々な獣舎に設置しています。寝室では扇風機の設置やさらに暑さに弱い動物にはエアコンを利用します。

1年通して(春夏秋冬)日本で過ごせば気候に慣れると言われていますが、それも個体差がありますし、何といっても日本の夏は湿度も高いのが難点です。

私が担当しているホオジロテナガザルのコンチャン(オス)も毎年熱中症にかかってしまいます。 そこで1日に2回経口用電解質液で補水を行っています(成分はブドウ糖、アミノ酢酸、塩化カリウム、塩化ナトリウムで、無味、無臭です)。人間の飲み物に例えるとスポーツドリンクと言ったところです。コンチャンは人工哺育で育ったため、哺乳瓶を利用していたこともあったからか?500mlのペットボトルから口で飲んでくれるので助かっています。テナガザルの名前のとおり手が長いので、オリから伸ばしてきた手が私に届かないよう気を付けながら飲ませます。

暑さを避けるため、屋外への放飼時間は午前11時くらいまでで、その後は類人猿舎室内展示場にいます。 コンチャンに声をかけて下さいね。