愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

クロザルのカップルシンキ君とクロウちゃんと赤ちゃん

新たに搬入された動物たちは、寝室や放飼場を覚えてもらうことに時間をかけます。また、繁殖を目的に搬入された場合は、お相手の動物がいるわけですから、お見合いを行います。
相性が合わない場合は、時間をかけてじっくりと。反対に相性が合いそうなそぶりなどがあると、様子をみて休園日など静かな日中を選んで同居の練習をします。
2011年10月23日に東山動物園から繁殖を目的にブリーディングローン(B.L)で搬入されたクロザルのシンキ君(とべ動物園に来園してから、命名しました)は、クロウちゃんとお見合いを開始した当初からとても相性が良く、すぐにでも同居ができそうな感じでした。しかし、もし・・・のことを考え、お見合い期間を設け様子を見ることにしました。

クロウちゃんは元々、サル舎の住人でしたので搬入されたシンキ君をステンレスケージに入れて、ケージ越しのお見合いを開始しました。お見合いから10日目の休園日に同居を行いました。

シンキ君が誘います

クロウちゃんも手を出してますが 届きそうで届かない距離・・・

ケージ越しにグルーミングができるようにしました。 もう、大丈夫?

なかよし

赤ちゃんが生まれましたが、
人工哺育となりました。

同居後の2頭はとても仲が良く、マウントや交尾が頻繁に見られ、8回目の発情期間を経て妊娠に至り、2013年1月24日にメスの赤ちゃんが誕生しました。
しかし・・・母となったクロウちゃんは赤ちゃんを産み落としただけで一度も抱き上げることなく、出産から30分後に担当者が赤ちゃんを保護し人工哺育に切り替え育てています。 現在、赤ちゃんは順調に育っています。暖かくなる頃には日光浴をしている姿もご覧になっていただけると思います。
繁殖を目的に搬入され、一つの命が誕生したことはとても喜ばしいことですが、育てられなかった原因はどうしてなのか?を探りながら、次こそは、クロウちゃんとシンキ君に子育てをしてもらえるような環境づくりを考えなければならないと思っています。