愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

よんちゃん(メス)31歳

よんちゃんとダチョウ

チャップマンシマウマのよんちゃんは31歳。シマウマの31歳は人にたとえると90歳くらいでかなりの高齢です。開園2年目に南紀白浜アドベンテャーワールドからやって来て現在に至りますが、前足の膝もやや曲がっており、歩行が遅くなっています。寝室では脚に負担をかけないようにゴムマットを置き、その上に多めの干し草を敷いて、クッション代わりにしています。3年前から1頭だけとなったよんちゃんは、その後搬入したエランドのフィアちゃんと仲良くなり、一緒に行動することが多くなりました。本来、シマウマは若い内は年を重ねるごとに気が荒くなり、仲間と喧嘩することがありますが、よんちゃんは気性も穏やかで、3歳のフィアちゃんは孫みたいな感じです。フィアちゃんがマウントしようとのりかかってもおかまいなしで平然としています。また、よんちゃんはダチョウに軽くつつかれることもありますが、気持ちよさそうです。背の高いキリンが来るとうまくよけて衝突しない関係を築いています。唯一苦手なのは、シロオリックスのコマチで、細長い角に嫌な思いがあるのか、一目散に逃げていきます。

エランドのフィアちゃんと

こんなサバンナゾーンですが、夜だけはよんちゃんは広い部屋でのんびりと暮らしていました。しかし床面のコンクリートが大変滑り易いため改修工事をすることとなりました。よんちゃんはしばらくの間、エランドの予備室で夜間過ごすことになり、慣れない場所に初めは興奮がさめず、移動に時間がかかりました。4日目を過ぎた頃には環境にも慣れたため、安心できるようでした。その時に頼りになったのがフィアちゃんでした。隣の部屋にいるだけで、よんちゃんの不安が徐々に消え去るようで、頼もしい存在でした。外でも仲良く草を食べてるゆったり感もありほっとします。動物たちが健康でいられるためには、運動と睡眠(メリハリのある生活スタイルと寝室での安心感)が大切なので食事にも気を使い、長生きしてほしいと思います。
(サバンナ担当 佐々木 善基)