愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

タヌキ3姉妹

動物病院は基本的に動物を飼育する場所ではありませんが、病気になった動物が入院する場合のほか、園外から来た動物が病気を持っていないか一時的に観察する場合(検疫)や、けが・病気・迷子になった動物が野生に帰ることができるまで治療したり育てたりする場合(野生鳥獣保護)には、動物を飼育することがあります。
今回紹介するのはタヌキです。このタヌキたちは今年の8月に保護されました。保護された方から聞いた話から推測すると、そろって溝に落ちてしまい、最初は親も助けようとしたけれど助けることができなくて諦めてしまったようです。その状態でしばらくいたようで、4姉妹で保護されてきたのですが、どの子たちも体にひどく寄生虫が住み着いており、衰弱していた1頭は間もなく死んでしまいました。
残りの3頭は体に住み着いた寄生虫を駆除し、たくさんミルクを飲んですくすく育ちました。このタヌキたちがお客さんにお会いすることはほぼありませんが、先日の動物園の日には、朝のお客さんのお出迎えに少しだけ参加しました。暖かくなったら野生に帰るための準備を始めようと思っています。
(河野良輝)