愛媛県立とべ動物園

動物紹介

今月のアイドル

インドゾウ:太郎の昔話

今月のアイドル動物は、「インドゾウ:太郎の昔話」です。

2004年の太郎

今から約10年前、午前9時に携帯電話が鳴りました。その日は休みだったので慌てて電話をとると「太郎が暴れて扉が壊され、今も暴れています!」かなり切迫した雰囲気です。「わかった、すぐ行こわい」伊予弁で答えます。その日はある大会へ参加する予定でしたがキャンセルしました…。
暴れる太郎を止めるために急遽出勤すると、専門業者に修理を依頼しなければいけないほどゾウ用の扉が壊されていました。修理中も暴れて向かって来そうな太郎を扉へ近寄らないように体を張って制止させます。正直言って命がけでやっていました。その時の太郎の目つきや動きを読みながら、間合いを測り、こちらから気迫をぶつけたり、時にはなだめて落ちつかせたり、YESとNOをしっかり表現して教えていきます。もちろん安全は確保しながら。

当時のゾウ班の一人が私に「よく松浦はあの暴れる太郎の中に入れるね、止められるね」と言ったのを思い出します。普段の太郎との付き合いの中で信頼を培ってきたからこそ制止する自信も持てたのです。太郎の暴れる時期を一番多く経験していたのも私でした。
無我夢中で若かった太郎と、今は亡きハナ子と付き合っていたのを、今でも昨日のように思い出します。でも2頭に対して心掛けていたことがあるのですが…。長くなりそうなので、そのお話はまたの機会に!^^
今はとても穏やかなインドゾウの太郎。大きなアイドルの昔話でした。

2010年の太郎
側頭腺(目と耳の間)から分泌物が にじんでいる時は暴れやすい時期

2012年の太郎
暴れなくなったので昔より牙が伸びています