愛媛県立とべ動物園

動物紹介

今月のアイドル

ブッポウソウ

今月のアイドル動物は、「ブッポウソウ」です。

 皆様、「ブッポウソウ」をご存じですか?
 夏に日本に渡ってくるとても美しい鳥です。冬は暖かい東南アジアに移動します。大きさはハトを一回りか二回りくらい小さくした感じですが、とにかく美しい!!のどの部分には鮮やかな紺色、金属光沢のある全身緑色の羽、翼を広げると明るい空色がさし色のように入っています。そしてオレンジ色でよく目立つ大きめのくちばしに漆黒の瞳。
 数年前、愛媛県内で保護され子ども動物センターで展示されているこの美しいブッポウソウは「ブッポちゃん」と呼ばれています。
 ブッポウソウの名前の由来は夜中に森の中から聞こえる「ブッ・ポウ・ソウ、仏法僧」という鳴き声だと言われます。ところが、これは昔の人の思い違いで、本当に「ブッポウソウ」と鳴く鳥はフクロウの仲間のコノハズクです。ブッポウソウのほんとの鳴き声は、「ギョギョギョギョ~、ゲッゲッゲッ~」というおよそ鳥の鳴き声とは思えないような声なのです。
 さて、このブッポウソウたちも高病原性鳥インフルエンザ感染予防のためにやむを得ず現在は展示を中止しています。おそらく春先まではお目にかかれないと思うのですが、お耳にかかることは時々あると思います。というのも、彼らを隔離飼育している子ども動物センターのレクチャールームに職員が入ろうとすると、気配を感じて室内から「ギョギョギョ、ゲッゲッゲ~」というだみ声を聞かせてくれることがあります。きっとおやつのミルワームをねだっているのでしょう。これまでも青い服を着た動物園職員を見ると大きな声で鳴く「番犬」ならぬ「番鳥」ぶりを発揮していましたが、それはいまだに健在、扉の近くに寄る長靴のかすかな気配に反応することすらあります。でも、感染予防のために担当者以外はレクチャールームに入るのを極力控えていて、今までのように通りすがりに気軽におやつをあげることができません。今回、ちょっとだけ扉を開けて撮影に協力してもらいましたが、ブッポちゃんは元気に暮らしています。
 一日も早く鳥インフルエンザの流行が収まり、ブッポちゃんの美しい姿とその姿からは想像もつかないにぎやかな鳴き声をご披露したいものです。
(ボランティアセンター長 田村千明)