愛媛県立とべ動物園

動物紹介

今月のアイドル

アカカンガルーのフミ

今月のアイドル動物は、「アカカンガルーのフミ」です。

 今春アカカンガルー17頭を放飼後、いつものようにカンガルーの居なくなった寝室を掃除していました。大きなドライワイパーで床に残った乾草や青草などを押し集め始めて間もなく、押していくドライワイパーのその先に、いるはずの無い生物発見!
 『うわっ!』思わず大声を出してしまいました。その時期なら本来お母さんカンガルーの袋の中にいる、まだ毛も生えていない未成熟の赤ちゃん(670g)が袋から床に落ちていたのです。
 抱き上げるととても冷たく息も弱く、すぐに病院へ運びこみました。温浴をして乾かせてヒーター上で温めました。少し足をばたつかせ元気を取り戻した感じで、次はレントゲン検査です、もし寝室で踏まれて骨折しているとお母さんのもとへはもう戻せません。骨折もあり人工哺育となったのがジャンプ君であります。検査結果は一部爪が欠損していたものの、その他の異常はありませんでした。しかし問題はこの落下した個体の母親探しです。雌11頭の中から母親を見つけ出すのは至難の業です。母親と思われる個体を隔離し袋を確認します。2頭目で袋の授乳時の乳首を確認でき母親が確定しました。母親の袋へ保温した赤ちゃんを3人がかりで戻しました。その後順調に袋で育ってくれ現在は元気にパドックを走り回っています。
(アカカンガルー担当 松浦友貴)