愛媛県立とべ動物園

飼育日記

ゾウキーパー奮闘記

#16 アフの骨を発掘

 現在、2016年4月に死亡した雄ゾウの「アフ」の骨の掘り返し作業をおこなっています。アフは繁殖が難しいアフリカゾウにおいて媛と砥愛そして現在多摩動物公園にいる砥夢の3頭の父親になり次世代に命を繋いでくれた立派な雄ゾウでした。アフが死亡したのは私がとべ動物園で働き始めて2週間後の時で、まだ慣れない状況の中いろいろな出来事があったことを今でも鮮明に覚えています。
 これまでアフの亡骸はゾウ舎裏の敷地に埋めていましたが、死亡から約5年が経ち、これからはアフリカゾウの貴重な骨の標本として役に立ってもらう予定です。5年前は重機で穴を掘りましたが、今回は骨を傷つけることがないようにスコップで手掘りをしています。埋葬した時に記録した写真で位置を確認しながら、数人で協力して掘っていますが、かなり深い所に埋めているため、全部の骨を回収するにはまだ時間がかかりそうです。
 現時点で標本としてみなさんにご覧になってもらう時期は未定ですが、またいつか新たな姿でアフがみなさんにメッセージを届けてくれると思っています。
(アフリカゾウ担当 濱田純基)