ゾウキーパー奮闘記

#35.包丁使いは一流に

食パン切り

 現在当園で飼育している3頭のアフリカゾウには、1日に250キロ程のエサを与えています。干し草や青草に加え、リンゴ(8㎏)、ニンジン(10㎏)、サツマイモ(10㎏)、キャベツ(10㎏)、蒸したサツマイモ(2.5㎏)、食パン(4㎏)を与えています。
 これらのエサは用途によって調理の仕方や切り方が変わります。同じサツマイモやニンジンでも、朝に運動場に撒く分は小さく切ることで、採食に時間がかかるようにしています。一方で、トレーニングの際に与えるものは薄く切っています。これは投げたエサが転がりにくくなり、ゾウをその場にとどめておくことができるためです。また、食パンは液体のビタミン剤をしみこませて与えるのに使い、蒸したサツマイモはつぶして、粉状のビタミン剤やカルシウム剤を混ぜてお団子にして与えています。これらのエサを準備するのに、とても時間を使いますが、慣れると1時間ほどで終わらせられるようになります。
 このようにゾウの担当になると、サツマイモやニンジンを切るのがとても速くなります。もちろん手は切りません(笑)
(アフリカゾウ担当 兵頭佳夫)

トレーニング用に薄くスライスしたエサ

ビタミン入りイモ団子