愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

マンドリルの大五郎

2009年7月10日に生まれたマンドリルの大五郎をご存知ですか?
体が弱く生後一日目に人工哺育に切り替え、飼育を続けている子です。
大五郎の人工哺育中(特に哺乳瓶でミルクを与えていた時期)は何度か取材があり、実際にとべ動物園へ会いに来てくださった方も多く、人気者でした。

今でも・・・人気者です! 大五郎は授乳が必要な時期までは、類人猿舎のナースルームで過ごしていましたが、順調に成長し、毎日体重測定を行っていましたが、生後220日を越えたころには(3.3kgを越えたころから)、遊びが先なのか?!体重測定をさせてくれなくなりました。 餌の種類も大人のヒヒと同じものをたくさん食べるようになったため、ミルクの量を少しずつ減らし、精神的に落ち着けるために渡していたタオルを日中は持たせなくてもよく遊ぶようになりました。

生後245日目より、ヒヒ舎の一部屋で一定時間を過ごさせる練習を行いました。一気にお引越しをさせると環境の変化に対応できずに、体調を壊してしまうといけないので、午後からの2時間から少しずつヒヒ舎で過ごさせる練習をしました。
生後300日目には、完全にヒヒ舎で過ごさせることにしました。完全引越しまでの55日間をゆっくりあせらずに場所に慣れてもらい、ミルクもタオルも卒業できました。
餌をしっかり食べていたので、栄養面では何も問題なく、ヒヒ舎での飼育が行えました。幸い、暖かくなる時期(5月上旬)だったため、暖房も必要なく大五郎はヒヒ舎の住人となったわけです。

その後は、パドックデビューに向けて初めのうちは、ケージに収容したまま日光浴を兼ねてパドックに出していましたが、新しい環境に慣れてくると、今度は、ケージから出して、パドックでキーパーと一緒に、日光浴や遊びを行いました。シュートの出入りの練習もキーパーと一緒に行いました。一歳を迎えるまでに他のヒヒたちと同様に、一人でシュートの出入り、パドック遊びが出来るようになりました。

あせらずに大五郎の負担にならないようにステップアップをするのは大変なことですが、大五郎が広いパドックを楽しそうに遊んでいる姿を見ていると、これまでの苦労も忘れてしまいます。
大五郎の放飼時間は、ヒヒ舎マンドリルのパドックにて15時頃からです(2010年10月末現在)。
今では、「ボール遊び」と「木の枝飛ばし」と「ダッシュ遊び」がお気に入りのようです。やんちゃな大五郎に是非会いに来てくださいね!
*今後は、寒くなることも考慮して、放飼時間などの変更がある場合もありますので事前にお問い合わせください。