愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

アフリカタテガミヤマアラシ

餌と一緒に樫の枝も準備します

リトルワールドの『アフリカタテガミヤマアラシ』、主にアフリカに生息するヤマアラシ科の動物です。とべ動物園では両親と姉妹の合計4頭が暮らしています。
残念なことに、体にとげの生えた動物で一番有名なのは『ハリネズミ』らしく、多くの方に「ハリネズミ~」と呼ばれています。
ハリネズミは名前に『ネズミ』とつきますが、モグラに近い動物で、主食は昆虫です。一方、ヤマアラシは名前に『ネズミ』とつきませんが、ネズミに近い動物で、主食は草や木の根、果実などです。動物園ではキャベツやニンジン、バナナなどをあげています。
また、エサと一緒にかじるための木の枝もあげています。ヤマアラシは枝を前脚で抱えて、「ガリガリガリガリッ」と軽快な音を立ててかじります。時にはまだ餌が残っているのにかじりだすこともあります。餌よりも好きなのでしょうか?

樫の木ビフォア→アフター

体の大きなヤマアラシの歯は丈夫で、金属の扉に穴が開いてしまうほどの威力を持っています。そこで、木の中でも堅い樫の木をあげていますが、細い枝なら一晩で粉々にしてしまいますし、太い枝でも2、3日でなくなってしまいます。
ちなみに、この枝はキリンが葉っぱを食べた後の樫の木の再利用です。動物園ならではのリサイクルといえるでしょうか。
夜行性で、パドックでは寝ていることが多いヤマアラシですが、全身の毛をふるって「バサリッ」と大きな音を立ててから動き出します。ぜひ「バサリッ」を聞きに来てください。
(小獣ピット担当 秋沢成江)

寝室で樫の枝をかじるウララ(お姉ちゃんヤマアラシ)

朝には樫の枝は粉々になっています