愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

コンドルのマティ

食欲旺盛なマティ

うれしいお知らせではありませんが、コンドル雄のマティ37歳が、春から徐々に両眼が白く眼球が濁り出し、ついに視力が無くなってきてしまいました、マティ自身も不安なのか同じところをクルクル回ったり、元気がなくて食欲も落ちてきて、運動場で雌に攻撃されてしまい、急きょ動物病院の保護施設に移動させました。

新しくぺリングした2羽

動物病院では、元気もなくて、1週間くらい餌も食べていないため、獣医さん達と強制的に流動食をマティに与えました、流動食を続けているうちに、収容スペースにも慣れてきて、少し安心したのか3日目には食欲も出てきて、エサの肉も探すしぐさも見られ、エサを自分で食べるようになりました。しかし目が見えない分不安なのか、非常に音に敏感で、食べている時に無線機の音や、33号線(園内の下を走る国道)を走るバイクや車の音がすると食べることをやめてしまうので、給餌の時は無線機をオフにして入室しています、日増しに掃除の水の音や、担当者のかけ声にも慣れてきています。

肉をがっちりつかむマティ

長年当園で活躍してきたマティ、目は見えなくなってしまいましたが、より良い環境を作って、少しでも安心して暮らせるように支えていければと思います。これからが本当にキーパーの支えが、マティには必要になってくると思うので。
コンドルの寿命は50年とか60年と言われています、あと20年はマティには生きてもらうつもりです。現在コンドル舎には、当園産まれの若い雄とマティといた雌とでペアリングの最中です、あたたかく見守ってください。
(コンドル舎担当 松浦友貴)