愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

キリン舎に新兵器登場

 キリンの寝室には床材として海砂をたっぷり敷いています。キリンは蹄が伸びすぎると歩き方に支障が出て、関節や骨の病気になってしまいます。それを防ぐためと、もう一つは出産時への対応の為です。昨年5月にリュウキと杏子(あんず)の間に待望の第一子が生まれましたが、キリンは立ったまま出産するので、新生児は1m以上の高さから生み落とされます。もしもの事故を防ぐためにもふかふかに砂を敷き詰めていたというわけです。
 この海砂、良いことばかりではないのです。というのも、キリンの糞は体の大きさに似合わず、一つ一つがとても小さいのです。ビー玉ぐらいの大きさで、一回に100個程度(数えたことないけど)がパラパラとまき散らされます。それが一晩のうちに部屋のあちこちに…。そして砂の奥深くに潜り込んでしまうのです。掃除の時には何度も何度もすき返してふるいでふるって糞を集めますが、どうしても砂自体の質が時間の経過とともに低下してきます。そこで時期を見て砂の入れ替えをするのですが、これが本当に大変な作業です。寝室内にはトラックも入らないので、もし人力で総替えをやるとなったらスコップで砂をすくって一輪車に入れて何百往復(数えたことないけど)することか…。考えただけでうんざりします。
 ところが!! この作業を手伝ってくれる救世主が現れました。その名も「ネオ丸」。新しい時代を切り拓くべく命名されたミニローダーです。先日ネオ丸に手伝ってもらった砂替えの作業の様子を当園のTwitterにアップしましたが、ネオ丸、あっという間に砂の山を切り崩し、働く働く!! おかげで人力では数人で数日かかる作業をなんと3時間ほどで片付けてくれました。
 最初はミニローダーにびっくりしていたリュウキも今ではすっかりその存在を認めて見守ってくれていますよ。
(キリン担当 田村昌吾)

これが「ネオ丸」だ!

リュウキも興味津々

その素晴らしい働きぶりはこちらでご覧いただけます。
https://twitter.com/tobezooofficial/status/1398949809961115648