愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

今、サル山から目が離せない!?

サツマイモ採食

 昨年の10月に担当替えがあり、私は24年ぶりにサル山担当になりました。当時は28頭だったニホンザルが現在は59頭にまでなりました。
 現在いる群れのメンバーは若かりし頃に私が関わったニホンザルの孫やひ孫の世代になっており血のつながりを感じ懐かしく想いました。たとえば、現在ナンバーワンのオスのシン(20歳)の表情は初代のナンバーワンのオスだったいちまつ(1997年没)を思い出すもので凛々しく、メスのヒロ(2代目/2002年没)に似ているメスのピアス(17歳)の振る舞いはヒロと同様に堂々しています。
 2021冬の寒さを乗り越えた現在、夏になり酷暑に耐えている3頭の高齢ザルのオスのアツ(26歳)・メスのサクラ(22歳)、同じくメスのサツキ(22歳)は私の自慢の3頭です!!!
 アツは盲目となり群れ引退後はケージ飼育となり日々、穏やかに過ごしています。サツキは当初、私を警戒し遠くから見ていたのですが今はアイコンタクトで手渡し給餌が可能になりました。
 今一番、体調の心配をしているのがサクラです。大きなヘルニア持ちで咳症状があり目ヤニや顔色が悪い日がありますが、サクラは担当初日から近くに寄って来て手渡しでエサを食べてくれるフレンドリーな個体です。しかし食べるのもゆっくり(味わっている?)なため、若いサルにエサを横取りされたり、傷を負う事もあります。しかしサクラは高齢ながら仔のオスのシグレ(2歳)や、オスのシャリ(5歳)のお世話を献身的にする優しいお母さんです。
 四季折々のエサを追加エサとして与えていますが夏野菜ではキュウリが好きでバッタも追いかけています。お婆ちゃんサルではありますがサツマイモが大好きで歯は丈夫なようです。
 特に弱い立場である高齢ザル3頭を基本に考えた飼育を行い暑さ乗り越え、秋を迎えるのが今の私の小さな夢です。
(ニホンザル担当 竹箇平昭信)

夏野菜キュウリ採食

目ヤニが確認する時は体調不良

サクラ親仔(右)

エサで与えたバッタを取りに行くサクラ