愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

幼獣の治癒力に驚き

 10月に当時5ヶ月齢のライオンの子ども「クレイ」が母親の「さくら」との同居訓練中に、頚部(右肩側)を咬まれました。一命は取り留めたものの、成獣のライオンによる咬傷のため、右前足と右後足が麻痺しており全く立てない状態で、この時点では歩けるまで回復するのは難しいと思っていました。
 ところがクレイは2日後には食欲が回復し立ち上がろうとする様子が見られ、その後は見る間に回復し、7日目には立ち上がり、10日目には歩き、14日目には走るまで回復しました。
 以前から感じていたのですが、幼獣は元気と食欲があれば、ケガからの治癒力には驚くべきものがあります。現在のクレイは今月には公開も再開しており受傷前と変わらないくらい元気に走り回っています。動画はクレイがケガ後に初めて外へ出た時の様子です。ぜひご覧ください。
(獣医師 熊岡悟史)