愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

どんぐりころころ

 動物園では動物たちが食べているエサを購入しています。しかし、園内で自生しているものを食べている動物もいます。その1つが保護鳥獣舎にいるムササビです。彼らは日ごろニンジンや小松菜などを食べています。また、園内に自生しているどんぐりやヤマモモの枝葉なども食べています。今年は9月の中頃からどんぐりも食べています。このどんぐりは時間のあるときに制服のポケットがパンパンになるまで拾っています。今まであまり気にしていなかったのですが、今年の秋はどんぐりで発見がありました。
 1つ目は緑色のどんぐりを好んで食べることです。私から見ると茶色のどんぐりの方がおいしそう(?)に見えるのですが、緑と茶色と両方置いてみると緑のどんぐりをよく食べていました。熟しすぎると渋くなるのでしょうか。食べたことがない(食べる勇気が出ない)ので謎です。
 2つ目は好みがあるということです。一言でどんぐりと言っても、様々な種類があります。ある日、3種類置いてみたところ、1種類だけ食べて、後は残しているということがありました。5日続けて置いてみても結果は同じでした。どうやら味に違いがあるようです。特に好んで食べていたのはクヌギでした。ちなみに園内には栗の木もあるので、栗も収穫できます。ムササビに渡してみたところ大きな目をさらに大きくして、取り合いをしながら食べていました(笑)
 冬を迎え、どんぐりの数も少なくなってきたので収穫しづらくなってきたのですが、彼らの食べっぷり見たさに、ついどんぐりは落ちていないかと下を見ながら歩いてしまいます。物にぶつからないように気をつけねば…。
(保護鳥獣舎担当 山本祥菜)