キーパー飼育日記

クロの挑戦

初めての練習の日、階段が苦手でした

 11月3日に計量強化月間にちなんだ計量クイズを行うイベントが開催されました。クイズの内容は毎年変更されており、今回は「ミミナガヤギの耳の長さ」と、「コリデールの毛刈りで刈った毛の重さ」でした。コリデールの毛は、会場まで簡単に持ち運べましたが、ミミナガヤギはどうしたら…。と思っていたところ、飼育している若いオスの「クロ」を思い出し、連れて行っても大丈夫ではないかと思いました。そこで、ポニー舎からアニマルステージまでの移動に慣れてもらうため、休園日にコツコツと練習を続けていきました。
 初めて練習する日、クロが安全に移動できるように首輪とリードをつけましたが、ポニー舎から出たことのないクロは見るもの、歩く道、他の動物たち全てが初めてのものでした。担当者もどんな反応を見せるのかドキドキしながら見守っていましたが、意外にもスタスタと迷いのない足どりで移動していきました。さらに意外なことに、アニマルステージを下りるための階段が一番苦手でした。本来、高いところに上ったり、下りたりすることを得意とするヤギですが、やはり初めてのものは怖いらしく腰が引けて、なかなか下りようとしませんでした。それでも、何回か練習を繰り返しているうちに、階段も平気になり、本番を迎えるだけとなりました。
 そして、当日はたくさんの方が参加されている中、クロは練習の成果を十分に発揮する堂々とした姿でイベントを終え、無事にポニー舎へと戻りました。初めての挑戦を大成功で収めたクロは、大人のオスとしてさらに貫禄がついたのではないかと思います。
(ポニー舎担当 村上ひなの)

練習の帰り道

イベント当日、大人しく待機しています

耳の長さを測っています