キーパー飼育日記

ぬた場作りに挑戦

 アカカワイノシシの放飼場(パドック)に泥浴びのための「ぬた場」を作ることにしました。当園では、イノシシのノミやマダニの寄生防止と駆除をするために、ネコ用のマダニ防虫・殺虫剤を定期的に体に数滴垂らしています。マダニが媒介する感染症のSFTS(重症熱性血小板減少症候群)など、人や動物への感染症を予防するためです。主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染します。その予防の一役として「ぬた場」を作ることにしました。
 イノシシは、皮膚を保護する目的で泥浴びをする習性があります。体温を下げたり、寄生虫を落とすために、泥の上を転げまわります。しかし、以前からあった土と落ち葉の「ぬた場」を利用することはなく、自分で掘った穴に寝転ぶ程度でした。
 そこで今回、新たな「ぬた場」の材料として、おがくずと堆肥を利用しました。匂いの強い「おがくず」が良かったのか、落ち葉と比べて興味を示し体をこすりつけていました。 今のところマダニ防止の効果は定かではありませんが、アカカワイノシシの本来の姿が見られることを期待しています。
(アカカワイノシシ担当 中西一則)