どこにいるかな？

　キツネとタヌキに挟まれて、小獣ケージでハクビシンが展示されているのをご存じですか。ホンドギツネと交代で展示するのでただでさえレアなのに、忍者の名前が災いしたのか、その姿が神出鬼没と来園者をザワつかせているとかいないとか。
　オスのハクビシン「はっとり君」は、2017年の夏に愛媛県内で保護されました。とても幼かったので、しばらくは獣医師がミルクを与えて育てましたが、離乳後は野生復帰を目指し、あまり人に慣れてしまわないよう適度な距離感を保って育てられました。そのため、いつも人とは一定の距離をとりたがりすぐには近づきませんし、いきなり触ろうとすると不意にかみついたりすることもあります。でも、少し時間をかけて呼びかければ、近寄ってきて触らせてもくれる、実はシャイなやつなのです。
　はっとり君のマイブームは、「天井張り付きの術！？」。展示室にいないと思ったら、ちょっと視線を上げてみてください。オリの天井や壁に何やら毛玉のようなものが見えたら、それがはっとり君です。
（獣医師　毛利靖）