愛媛県立とべ動物園

お知らせ

コウモリの赤ちゃん

まだまだ小指半分(7/21撮影)

 とべ動物園には7頭のアブラコウモリが暮らしています。みんな県内で保護された個体たちで、1頭ずつ名前もついています。松山市内の南梅本で保護された「梅ちゃん」、民家のベランダで保護された「ベラちゃん」、台風の日に田村家の網戸に引っかかって飛べなくなっていた「タムちゃん」。そして「シコチュウちゃん」はそう、四国中央市出身です。そんな中、7月11日に1頭の赤ちゃんがやって来ました。「梅ちゃん」と同じく南梅本で保護されましたが同じ名前を付けるわけにもいかず、この子は「コウメちゃん」と呼ばれることになりました。
 体重は2.2g、小指の半分くらいの大きさで生後1週間ほどと思われました。もちろんまだまだミルクです。ネコ用の人工乳を使って人工哺育を始めました。1mlの注射筒の先に翼付静注針のチューブをつけて哺乳瓶代わりにします。1回に飲む量はわずか0.1ml。一日5、6回飲ませます。飲む量が増えるにつれて体重も順調に増え、1か月後には4g近くになったため、離乳を始めることにしました。
 ご承知の通り、アブラコウモリは昆虫食です。毎晩100匹以上の蚊やハエを食べています。ということで、離乳食にはミルワームを使います。ミルワームはチャイロコメノゴミムシダマシという甲虫の幼虫で、昆虫好きな動物の皆さんの大好物です。コウメちゃんも最初からモリモリ食べてくれたので、体重の増減を確認しながら、8月20日にはミルクをやめて完全離乳に踏み切りました。
 コウモリの人工哺育にはいくつかのヤマがあって、離乳の後にも一つ壁があります。秋の内にしっかり食べて体重を増やしておかないと、冬を乗り越えることができません。もうひと頑張りして、しっかり成長してほしいものです。
コウメちゃんは、梅ちゃんたちと一緒に子ども動物センターで皆様をお待ちしています。センターに寄って探してみてくださいね。
(こども動物センター 田村千明)

※コウメちゃんの食事シーンは下記の公式YouTubeにてご覧いただけます。虫が苦手な方はご注意くださいね。

哺乳瓶代わり

案外かわいらしい顔です

すっかり大きくなりました