愛媛県立とべ動物園

お知らせ

標本作成のおはなし

 動物園では生きた動物のほかに死んでしまった動物も「骨格標本」や「毛皮標本(または剥製標本)」として展示しています。
 骨格標本は、夏であれば内臓などの標本に不要な部分を虫に食べてさせたり、冬であれば寸胴で煮こんだりしながら作ります。小さな動物には、炊飯器の「保温」モードがちょうど良いので重宝しています。毛皮標本は、皮から筋肉や脂肪をナイフなどでこそぎ落し、ミョウバン液に漬けてよく脱脂・防腐しながらのばして作ります。いずれにしても根気と体力が必要な作業です。
 ちいさなお子さんに標本を見てもらうと「かわいそう」と言われることがよくあります。たしかに「死」を連想して良くないイメージなのかもしれません。しかし、標本は生きていた頃には見つけられなかったたくさんの学びを伝えてくれています。「かわいそう」で終わらず、何かひとつでも学びを見つけてくれるように、標本になった動物を“生かせる”ようにと思いながら標本作りをしています。
(獣医師 出野萌子)

①骨格標本を作っているところ

②毛皮標本を作っているところ