愛媛県立とべ動物園

動物紹介

今月のアイドル

目に入れても痛くない!?

今月のアイドル動物は、「目に入れても痛くない!?」です。

保護初日

人工哺育をしていると、キーパーの仕事をしているな、という感覚になることがあります。実は動物園でも人工哺育の機会は多くありません。現在の動物園の方針で無理に人工哺育にはせず、親が育てるように促しているからです。また、そうする技術も発展してきています。しかし、どうしても人工哺育にしなければ命に係わる、という場合はその限りではありません。
と、固い表現で書いたものの、当の本人は飼育の仕事をしながら、人工哺育をするので、てんやわんやです!私がその状況になったのが2014年の6月でした。アカカンガルーの運動場を見ると、数日前にお母さんの袋から顔を出し始めたばかりの赤ちゃんが落ちていました。この時期のカンガルーは袋から落としてしまうことがあっても、再び袋に戻せばお母さんは何事もなかったように子育てを再開します。しかし赤ちゃんを確認すると後ろ足を骨折していました。ここから半年間に及ぶ人工哺育が始まりました。

生後90日離乳中

このアカカンガルーがメスの「オレンジ」です。テレビ等でたくさん取り上げていただいたので、ご存知の方もいらっしゃると思います。人に育てられたオレンジは、人が大好きなカンガルーになりました。今では来園者の方にも自分から寄って行きます。まさにアイドル級に可愛いのでは!?と親バカが炸裂しています。
そして実は今オレンジの袋の中には赤ちゃんがいます!そんな姿を見ていると人工哺育中の寝不足の苦労など、記憶から消し飛んでしまいました。この赤ちゃんを私が可愛がることは祖父バカと言うのでしょうか…?
(元アカカンガルー担当 池田敬明)

生後半年

現在!大きくなっても遊ぼうと誘ってきます