愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

とべのラクダ夫婦

とべ動物園では、現在2頭のヒトコブラクダを飼育展示しています。以前は、ヒトコブラクダとフタコブラクダを合わせて10頭近く飼育展示していた時もありましたが、今は、オスのブービーとメスのクロマの2頭が、広いラクダ舎でのんびりと暮らしています。メスのクロマは、1985年7月18日生まれで、とべ動物園の開園に合わせて1988年3月に徳島動物園からやって来ました。現在まで、5頭の赤ちゃんを出産しており、クロマの子供たちが他の園館にブリーディングローンなどで搬出されています。

オスのブービーは、1922年6月7日生まれで、1999年4月にアドベンチャーワールドからやって来ました。クロマとブービーの間では、今までに1頭の赤ちゃんが誕生していますが、クロマはその2000年5月の出産を最後に、約10年間出産していません。餌は、乾草(バミューダ)と固形飼料(ZF)が主ですが、その他に青草、カシの葉、ニンジン、イモ、パン、白菜を与えており、ビタミン剤、カルシウム剤を添加しています。ラクダは首が長く、その長い首を伸ばし、唇を伸ばし、獣舎周辺の植栽なども平気で食べてしまう食いしん坊ですが、この前、おいしそうな小松菜を少し与えてみると、匂いを嗅ぐだけで全く食べなかったのにはビックリしました。

現在は、獣舎を広く利用するために、クロマとブービーを分離飼育していますが、繁殖のために時々同居していることがあります。尾を上下に動かしながら尿を散らしたり、頸腺からの分泌など、ブービーの発情のサインを見ながら同居させることが多いのですが、元気良すぎるブービー、25歳と高齢の逃げ回るクロマ、見ていてヒヤリとする事もあります。

放飼場と来園者との境にはモートが設置されていますが、勢いあまってモートに落ちてしまわないか、とても心配です。2頭の様子を見ながら、良いタイミングで同居させクロマのカワイイ赤ちゃんが見られるよう期待しながら飼育に励みたいと思います。クロマは、夕方の収容前になると、よく体を左右に動かし軽快なステップを踏んでいます。早く部屋の中の餌が食べたいのでしょう...。そのカワイイ姿を是非見に来て下さい。