愛媛県立とべ動物園

動物紹介

今月のアイドル

アフリカゾウのリカ

今月のアイドル動物は、「アフリカゾウのリカ」です。

 今年で37歳(推定)になったアフリカゾウのメスのリカについてご紹介します。リカはとべ動物園が開園した年に2歳で南アフリカ共和国のゾウ孤児院からオスのアフと共にやってきました。飼育下での繁殖が難しいとされるアフリカゾウですが、2016年に死亡したアフとの間に媛(ひめ)、砥夢(とむ)、砥愛(とあ)の3頭の子どもを生んでくれた立派な母親です。
 ゾウは家族の結びつきが強く、リカは2頭の手のかかる娘たちをまとめる家族のリーダー的存在です。日常的に起こる媛と砥愛の姉妹げんか(だいたい砥愛が媛にちょっかいをかけて始まります)には、必ず走って2頭の間に入り、仲裁してくれます。リカの体のケアをするトレーニングをしている時でさえ、別の場所にいる娘たちの小競り合いを察知すると、トレーニングを中断して様子をうかがいに行きます。周りの状況をいつも気にして、時にはちょっと厳しすぎるくらい、ゾウ社会のルールを媛と砥愛に教えてくれています。
 嫌いな人には強気な態度だったり、娘たちの食べ物まで奪い取りがちな気の強い所もありますが、自分の中に強い意志があり、自尊心の高さも感じます。そんなリカを見ているとアフリカゾウがアフリカの環境の中で力強く生き続けている理由がわかる気がします。とべ動物園のゾウ家族の母は偉大なり。
(アフリカゾウ担当 濱田純基)