愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

ニホンザルのエサについてのお話

野生のニホンザルは、果物や木の実、花や昆虫など、季節の変化に応じて多くの食物を食べて生活する雑食動物です。動物園で暮すニホンザルたちに野生と同じものを与えることは難しいのですが、できる限りニホンザルの食性に合わせたエサを与えることは必要だと考え、現在与えているエサを少し見直してみることにしました。
とべに暮らすニホンザルには、野菜・果物・穀物やサル用のペレット(固型飼料)などを合わせて10種類ほどを与えています。その中でもパンやサツマイモは一番の好物ですが、これらは高栄養な食べ物で、必ずしもサルにとってよいエサではないと最近では考えられています。そこでパンの給餌量を少し減らし、代わりにカシの枝葉や笹などの低カロリー食を毎日給餌することにしました(その他にはニレ、エノキ、ヤマモモなども与えています)。サルたちの反応は上々で、葉だけでなく樹皮も喜んで食べています。残った枝は子ザルたちが口にくわえて走り回ったり、地面に擦り付けたりして遊ぶ様子も観察できます。
とべのサル山では秋から冬にかけて脱毛のあるサルが現れ、来園者から心配されることがあり、今回の給餌内容の見直しがサルたちの健康へと繋がることを期待しています。           (二ホンザル担当 連有吾)

左、カシ 右、笹