愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

ほのぼのカップル

氷を舐めるイブナ

 とべ動物園では、現在雄6頭、雌8頭のマントヒヒを飼育していますが、この中には、先天性の脳の障害で両目が見えない雌のイブナ(13歳)がいます。
 マントヒヒは、一夫多妻のハーレムを形成し、当園では1頭の雄につき1頭から3頭の雌が付いています。イブナは目が見えないので不自由ですが、雄のボンズ(20歳)が常に側に付いており、イブナの面倒を見ています。寝室から放飼場へ出るときは、イブナの腰に手を回して一緒に出てあげたり、寝室へ入る時も寄り添って行動しています。まさに「頼り頼られ」の関係です。
 マントヒヒは社会性が高い動物ですので、他の個体もイブナには攻撃しない、イブナが持っている餌は奪わないといった暗黙のルールがあり、空気を読みながら争い事を避けているようです。
 イブナは採食の際、低い姿勢で移動しながら手探りで地面などに置いてある餌を見つけて、一生懸命に頬袋に詰め込んでいます。
 最近、夕方に寝室へ入る際、ボンズがイブナをほったらかしにして入る事も多く、イブナが自力で部屋に入るのに時間がかかり、群れ全体もスムーズに移動してくれなくなった事が悩みの種です。部屋の中に美味しい餌が用意してあるので、早く食べたい気持ちは分かりますが、これからもイブナのお世話をどうかよろしくお願いします!
(マントヒヒ担当 三根生康幸)

ボンズとイブナ