キーパー飼育日記
フクロウが音もなく飛ぶ秘密
フクロウの風切羽
多くの鳥は年に1回、換羽と言って羽根が生え換わります。動物病院で飼育しているフクロウも換羽があり、風切羽が落ちていました。
この羽根にはフクロウが音もなく飛ぶ秘密が隠れています。例えば、フクロウの風切羽には表面にフワフワとした毛が生えていて、羽ばたくときに羽根同士が擦れる音を小さくします。また、一番外側の風切羽の前縁は鋸の歯の様にギザギザした形になっていて、翼に当たる空気の流れを整え、空気が翼を通過する際に起こる乱流を抑えます。
他にも、ゆっくりとした羽ばたき、体重に対して広い翼の面積、全体的にフワフワした体なども、羽音の減少に役立っています。
これらの特徴のおかげで、フクロウは音もなく近づき、獲物を捕らえることができるのです。
(動物病院 池澤紅輔)
表面の毛